Scribble at 2024-06-26 20:09:57 Last modified: 2024-06-27 11:30:09
まぁそうだろうね。それに加えて、司会者のつまんないトーク。
フジテレビの『ミュージック・フェア』なんかも、ハイソな雰囲気づくりは昔から続いてるようだけど、とにかくトークが気味悪い。仲間由紀恵とか、ただの世間話してる近所の太ったおばちゃんみたいだし、軽部とかいういかにも「元落語研究会」みたいな喋り方の、アナウンサーとは思えない妙な発音の人物にしても(何らかの病気かもしれないから悪く言う必要はないが、なにかガムを噛みながら喋ってるような口の使い方なんだよね。よくあれでアナウンサーをやってると思う)、話題がとにかくファンにとっても一般的な視聴者として観てもつまらない。
あとは、NHK だからうちでも観ることが多いんだけど、『うたコン』とかいう番組。トークのセッションで誰かが話してる背後で、他の出演者が無理矢理にリアクションを取ってるのが見え見えの音楽番組とかさ、気味悪いよ。あれキャバクラのノリじゃん。
上の記事でも書かれているように、僕らの頃はテレビやラジオの音楽番組しか手軽なメディアがなかったんだよね。レコードをいちいち買うわけにはいかないし、有線は誰の何がかかるか前もって分からない。それに比べて、聴きたいときにアクセスして、しかも無料で(新人や海外の人々も含めて)何万人というプロのアーティストの曲が聴けるネットのメディアがあるからには、もう子供だって音楽番組なんて観たりしないよなぁ。そして、これは別に嘆かわしいことでもなんでもないと思う。限られた条件だけで意味があった番組なんて、さっさと無くなればいいのだ。すると、残るはネットのメディアを使うリテラシーがない弱者をどうするかだが、YouTube を観る端末やネットを契約するお金がないという人は、いまどき生活保護でもなかなか少ないだろうし、最低限の文化的な生活にネットを使うことを入れるべきだとも思うので、ぜひそういう生活環境は確保するべきだ。そして、リテラシーがない人には、そもそも音楽がどうこうという以前に、検索するスキル自体がないとか、あるいは自分で調べるということを億劫がるとか、たぶんメンタリティの問題とか教養の問題があると思うので、これも公的なサポートが望ましいだろう。高齢者なら、ヘルパーが訪問した際に一緒に番組を観るとか、そういうことでもいい。
それから、記事が指摘するように、TikTok などを始めとして、聴いている側も簡単に真似たり「歌ってみた」などと参加できるメディアにメイン・ストリームが移行していることも重要だ。そして、その影響で楽器も売れているだろうし、DTM のソフトも人気だという。これは、もちろん良いことだと思う。聴く側が簡単に歌い奏でる側にもなるということで、アーティストの技量を自分自身でやってみて納得できるだろうし、自分ならこうできるなどと新しい発見もあるだろう。これも一般論として言えば、何を憂う必要があるのかと言いたいような、良い変化ではないのか。これを由々しきことだなどと言っているテレビ局やラジオ局の人々がいるとしても、従来のメディアはそういうコンテンツを配信する最適なメディアではなかったというだけのことだ。そして、これからもテレビやラジオがメディアとして続くとすれば、それは働いている人々がテレビやラジオが最適と思えるコンテンツを考えたり見出すことにあるわけで、要するにそういうことを半世紀近くに渡って怠ってきたツケが回ってきただけのことなのだ。
これは元「切込隊長」の山本一郎氏が著書で喝破していたことだが、ソーシャル・メディアや生成 AI でプロの仕事が侵害されるなどと言うが、そもそも彼らは「プロ」と言えるような仕事をしてきたのか。素人にツール一つで凌駕されるていどのことしかやってこなかっただけではないのか。なぜなら、いくら YouTube だ生成 AI だと言っても、本当に優れたミュージシャンやアーティストとして評価されるような人物は数少ないわけだし、生成 AI については、どれほどプロンプト・エンジニアなどと言われていても明白に優れたクリエーティブを公開しているい人なんていないわけだよ。YouTube 出身のアーティストで、Ado だ Vaundy だ米津玄師だと言っても、そんな何百人もいるわけがない。あるいは、幾つかの企業が生成 AI のキャラクターをコマーシャルに起用したと話題になっていたけれど、たとえば伊藤園のキャラなんて何人かの芸能人の写真を使ってトレーニングした LoRA で補正したモデルを使ってるだろうってことがバレバレなんだよね。あと、ああいう未熟な技量でキャラクターを生成した画像というのは、やはり僕らのように数百万枚もの画像を作ってきた人間から見ると、福笑いみたいな顔なんだよね。もちろん、幾何学的な均整の問題じゃない。そんな人間はいないわけで、整っていないこと問題なんじゃなくて、寧ろパーツの配置の乱雑さに「AI的」と言えるような一定のパターンがあることを、僕らのような経験者は知ってるわけ。