Scribble at 2023-03-20 18:08:01 Last modified: 2023-03-21 08:40:42

いままで文章を書きながら気になったことがある。

「切手」は英語で "stamp" なのだが、多くの人は切手に押印する日付や郵便局の印字も日本語で「スタンプ」と呼ぶし、実際に英語でも "postmark" あるいは "post mark" ではなく "stamp" と言う人がいるようだ。そうすると、「切手を貼った葉書にスタンプを押す」というのは "She makes a stamp on a stamp of postcard." と言うことになり、これは奇妙な印象を受ける。僕自身はこういうことを英語で言わなくてはいけない状況に置かれたことがないので、実際にはこんな言い方をしない筈なのだが、他にどう言えば自然なのか分からない。僕には日本で郵便局の押印という意味で言う「スタンプ」というのは "post mark" だとしか思えないのだが、そうすると「切手」をスタンプと呼ぶことになり、これもこれで(日本語の「スタンプ」という印象に引きずられて)なんだか落ち着かない。

そもそも、自称英語教師とかが日本の「朱印帖」を "stamp book" などと説明しているが、ぜんぜん意味合いが分かっていないインチキ英語講師も多い(英語が使えるというだけで日本のことを英語に正しく訳せる保証などないからだ)。あれを "stamp" と訳していいのは、判を押すことが郵便局の押印と同じく何らかの手続きの証や印になっているからなのだ。ただの意匠やデザインとしてのマークじゃないから "stamp" と言えるのである。それでも、誤解を防ぐなら "a book of red seals to prove or memorialize your visiting" くらい丁寧に説明した方がいいだろう。だいたい、普通の英語の感覚だと "stamp book" と言われて想像するのは、切手収集家のアルバムだよ。

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