Scribble at 2025-10-19 14:28:15 Last modified: 2025-10-19 17:36:13

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自民、公明、日本維新の会3党が高校授業料無償化を巡り、月内の実務者合意を目指す制度案が18日、判明した。収入要件を撤廃して授業料を助成する就学支援金について、外国人学校は対象外とする。財源は「税制による対応も含め確保が不可欠」と明記した。増税などが念頭にあるとみられる。実施から3年程度で検証し、必要な見直しを行うと盛り込んだ。

【独自】高校無償化、外国人学校は除外 自公維、財源は「税制対応も」

まず、昨今は新聞社のサイトですら「まず動画広告を見よ」などとウザいことをやり始めているので、報道はそれなりに必要だけれど、もう日本のニューズですら海外のメディアにアクセスするだけでいいかもしれないと思い始めている。

で、ひとまずサイド・バーの広告だけで酷い状況が留まっている Yahoo! ニュースで拾ってみると、この話題は、もちろん高校の授業料が無償化されて喜んでいる多くの家庭にとっては(ネトウヨだろうと左翼だろうと)、ひとまず自分のガキだけについて考えたら良いことであろう。無理に高校へ行く必要があるのかという疑問はあるにしても、大阪で最上位クラスの国立高校から大学院の博士課程にまで進学した人間が言ったところで無責任だと思われるだろう。なので、そういう是非の議論はここではしない。たいていの凡人は高校を出て大学に進み、どこであれ企業就職するのが穏当なキャリア・パスなのであるから、これを否定したり疑問を示したところで、さほど説得力はないのだろう。それに、通常のキャリア・パスを考えてなくてもいいくらい、みなさんの息子や娘が8歳でハーヴァードに推薦入学できるくらいの人物であるなら、東アジアの辺境国家で高校の授業料が無償になろうと、そんなことはどうだっていい話だろう。

しかし、そこまではいいとしても、自民・公明・維新が訴えている「財源の確保」という理屈は改めて議論してもよいはずである。外国人学校や、日本へ定着する意志のない高校留学生は除外するという理由として、日本人の子供に十分な支援を行う恒久的な財源を確保するためだとされているが、まずここからおかしいと思うべきだろう。なぜなら、日本で生まれ育った人物だからといって、自動的に日本で永住するとは限らないからだ。日本で生まれ育った若者が海外へ出てアメリカやヨーローパなどへ移住することは、いまや珍しくもないわけだし、就労年代のあいだだけ海外で働いてから高齢になって日本へ帰国して余生を過ごす人だっている。それに、外国人学校を卒業した人が日本へ永住して何十年も税金を納める可能性だってあろう。何を根拠に、日本で生まれ育った者が定着するだの外国人学校へ通う子供が定着しないだのと決めつけられるのか。というか、僕らのような文化人類史の観点で人類史というスケールを前提にものを考えている保守思想家なら、どうして「定着」なんてする必要があり、そして定着している者だけを有利に扱う必要があるのかと思う。そもそも、「定着」とは何なのか。日本に5年いたらいいのか。それとも親のどちらかが日本人でなければいけないのか。

恐らく、維新や自民が想定しているのは、大阪で北朝鮮を信奉するような教育をしている民族学校を排除したり、あるいは大半の卒業生が日本に何の貢献もしないどころか「海外からの目」などと称して YouTube などで日本の社会や制度を批判している(いわゆる「一条校」でない各種学校扱いの)インターナショナル・スクールを排除したいという意図があるのだろう(いや、それなら日本のマスコミも、エジプトから来たネトウヨおばさんを評論家として扱ったり、東南アジアの王族に嫁いでいただけの婆さんを政治家のように扱うなよ・・・)。確かに、チュチェ思想なんて、僕ら哲学を専攻する者からすれば哲学でもなければ社会思想でもないのだから、国が指定した教育要領を無視して教える団体は「学校」ではないのだから無償化する必要はないという理屈は分かる。また、インターナショナル・スクールのように、これまた各種学校の扱いで勝手なことを教えている団体も、国の政策から外れるのは当たり前である。もしインターナショナル・スクールや北朝鮮の教育をする学校まで国費で支援するのであれば、それこそイスラム原理主義だとか、トランプ王国のリバタリアニズムを教えるような、クズみたいな学校ですら国費で授業料を無償化しなくてはいけなくなる。だが、日本で暮らす国民の公共の福祉を優先する限りにおいて、そのような教育をする団体は、無償化の対象にするかどうかなどという議論よりも前に、寧ろ規制や監視の対象であろう。

そして、そのような傾向がないからといって、やれインターナショナル・スクールは「健全」であるとか、ましてや英語で授業しているていどのことで「格好いい」だの「国際人が育つ」だのという妄想としか思えない理由で授業料を無償化するのであれば、それはそれで思想や信条の自由に反するであろう。学校として扱い、授業料を無償化するという議論では除外しても、個人の思想や信条としてイスラム原理主義を信ずることを国が禁じるのは憲法違反である。したがって、「イスラム原理主義を教える組織とは違ってインターナショナル・スクールは健全だから支援する」というのも、憲法違反である。このような話は、文科省の教育要領だとか、あるいは学校として認可されるための要件を満たすかどうかという、無機質で情け容赦のない形式的な議論だけにすることこそ、寧ろ不当な差別を避ける良い方法なのだ。

だが、こういった話だけにとどまらず、自民や維新が述べている「財源の確保」という話にしても、本当なのかどうかを疑う必要もある。いま、高等学校に通っている生徒の人数は約300万人とされている(定時制高校や通信制高校も含む)。これに対して、除外されようとしている学校に通っている生徒の人数は、約10万人程度、つまり高校レベルの教育を受けている若者の 3% ていどが除外されるということだ。さて、これら 3% の生徒の授業料が浮くだけで、残りの 97% の生徒について授業料を賄えるだけの金額になるのだろうか。こんなの、小学生に質問しても鼻で笑われるであろう。確かに、いまの財源なら 97% までは出せて、残りの 3% が足りないから外国人学校は切り捨てるという議論だとしても、それなら全ての生徒を補助の対象にして、国費で 100% ではなく 97% を補助するというアイデアもありえる。やはりこれは、「無償化する」というメッセージだけではなく、外国人学校などを「排除する」というメッセージも含めて、多くの人々の不公平感を外国人差別に転嫁するような発想なのであろう。

だが実際には、教育費が高騰している理由の大半は(NHK や厚労省の官僚は知らないのだろうが)99% の中小企業ではインフレになったくらいで給料が上がったりするわけがないという現実があり、要するに給料なんて上がらないにもかかわらず、食費や授業料などがどんどん上がっているというミスマッチにあり。そして、大学を卒業しなければ就職できないという、大半の企業の人事部の無能さ(つまりは高校を卒業した時点の人間を社員として採用できるかどうか見積もるメソッドや知識や経験が、上場企業の人事部にすらないということだ。何度も言っているように、たいていの人事マンというのは馬鹿で無知で無能であり、長期的な観点で会社を腐らせる元凶なのだ)も理由である。一時的に日本で住んでいるに過ぎないのであろと、外国人が原因なのではない。

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