Scribble at 2025-10-19 16:46:34 Last modified: 2025-10-19 16:50:33
ある財務省関係者も「科学立国と財政健全化の一挙両得が狙える」と、答申案を歓迎する。「研究予算を絞るほどノーベル賞受賞者が増えるというのはコペルニクス的転回。将来的には科研費ゼロも視野に入れたい」と述べた。
メディア・リテラシー、あるいは昔から何冊か出ている「統計で嘘を付く方法」みたいな詭弁の本などに類する、なかなか良い記事だと思う。もちろん、これがジョークであることを正確に解説できる教員が中学までの中等教育課程に数多くいたらの話だが。
まず最初に種明かしをしておくと、これは「遅延係数」を理解していない人が陥りやすい錯覚だ。或ることがらの結果として起きている事象を、後に生じている別の事象と同時に観察できるというだけで、それらに相関があると考えてしまう誤謬である。もちろん、広い意味では "a correlation is not (necessarily) a causation" の一例とも言える。それから、潤沢な科研費の支給がノベール賞の有効な原因や理由だと言えるかどうかを疑ってもよい。
ちなみに、当サイトではお馴染みの池田信夫くんは、自分たちが科研費の使い道に困って自宅のパソコンを買い替えたなどという経験から「文系に科研費は不要」などという放言を公表しているようだが、自分たちが科研費を有効に使えなかったからといって、他人まで科研費を浪費しているなどと推測するのはどうかと思う。できれば夜間高校にでも入り直して、「集合と論理」でも学び直してはどうか。