Scribble at 2025-06-18 14:00:07 Last modified: 2025-06-20 09:08:34

このほど、自宅の Raspberry Pi Zero W の運用を終えた。幾つか理由や経緯や事情はあるのだが、まずさきほど LAN ケーブルを外したり電源ケーブルを抜いて「おもちゃ箱」に収納した理由は、電源周りの異常が起きていたからだ。久しぶりに TeraTerm Pro で接続しようとするとエラーになってしまったので、実はすぐ近くに置いてあるから筐体を取り出してカバーを外してみると、電源が入っていない(緑のランプが点灯していない)。接触が悪いのかと思ってケーブルを挿しなおしていると、どうも LAN ケーブルを接続すると、なぜか電源が落ちてしまうという妙なことになっている。これらのインターフェイスは、どちらも USB(一方は電源用を兼ねた USB)なので、USB 関連のドライバに何か異常があるのかもしれないが、正直なところそんなことを調べたり対処するバッド・ノウハウを蓄積するつもりはない。

それから、何週間か前にも書いたと思うのだが、実は Raspberry Pi は殆ど使っていない。新しいプログラミング言語の勉強用とか、セキュリティ関連でどういうミスをしてもいい Linux サーバを一つ持ちたいとか(SELinux の試験運用だと、少しでも設定を間違えただけで簡単に root ですらアクセスを遮断されてどうにもできなくなったりすることがある。昔なら、豊津の IDC Frontier・・・当時はソフトバンク IDC という社名だったが・・・のデータ・センターにわざわざタクシーを飛ばしたこともあったが、いまどきそんなことはやってられない)、そういう用途はあったのだけれど、やはり僕が使いたい OS を載せられないという基本的な問題があって、どうも使う気になれないのであった。もちろん、僕がスキルを高めたいのは FreeBSD である(Raspberry Pi の32ビット版で動かせる FreeBSD はない)。動かせるのは Linux しかも Debian とあっては、世俗的な事情には対応できても個人的にはつまらない。そして、世俗的な事情でエンジニアとしての守備範囲を広げたり変更するだけの余裕もないし、そうすることで期待できる利得も見込めない。端的に言って、僕がこれから Debian 系の OS を RedHat 系と同じ程度に扱えるようになって、それであんたら凡庸な人々はエンジニアとしての俺にどれだけの報酬を用意してくれるんですかという話だ。これから還暦を過ぎて転職した先の会社が、もちろん還暦の人間にどれほどの知識や実績やスキルがあっても、ギャラなんて都内の新卒にすら及ばない小遣い銭ていどしか出す気はあるまい。

ということで、そろそろおもちゃで遊ぶのは止めにしたい。もちろん産業用の機械に Raspberry Pi を使っている事例があるのは知っているが、そんな些末な事例を日本の社会学者みたいに並べられたところで、哲学者としての僕はもちろん、ウェブのエンジニアである僕にとっても、何の説得力もないわけである。

あと、32ビットの ARM は FreeBSD だけに限らず大半の OS やディストリビューションでサポートされなくなりつつあって、どのみち64ビット版に買い替えないといけないとは思うのだが、Raspberry Pi のような SBC (single board computer) ですら、最近は1万円を超えるのが当たり前になっていて、とても気軽に試せるようなホビーではなくなったと思う。業界として伸びてくると、初心者がいつまでも安物の SBC を幾つも買い替えてくれるわけはないし、初心者でなくなってくれば SBC なんて見向きもしなくなる可能性だってあるわけだから、コンピューティングの初心者コンシューマという購買層を向いていては売上なんて伸びないわけだよね。P&G みたくアマゾン流域の原住民にシャンプーを売りつけるような商売(ああ、BOP ビジネスとか言ったっけ)するなら別だけど。まぁ、Apple が日本人に iPhone を売ってるのも似たようなものか。なんにせよ、Rapsbery Pi も上場企業となって、売上(あるいは株主)のことを考えたら、いつまでも貧乏人の相手をしていてもしょうがないわけで、産業用の組み込みモジュールだとか、稼げる用途のボードを売っていかないといけない。

ということで、これから社会に出ようという諸君には、手軽に Linux の勉強をする環境がほしいという用途だと、残念ながら SBC はお勧めできるようなものではなくなってしまったと言う他にない。当サイトでも過去の記録として Raspberry Pi のページは公開しておくのだが、僕自身はもうお勧めしない。就職あるいは個人の興味や趣味として Linux や UNIX が動く安いコンピュータを手に入れたいと思うなら、SBC なんていう、なんだかんだ言っても貧弱なスペックだし、それに初心者向けの本は幾つかあるけど、結局のところ役に立つ情報が殆ど発信されていない(海外もだが、あいかわらずこの国のオタクは発信力のなさで群を抜いている)という意味では、初心者にとってイザというときに解決手段が少ない SBC は、単純に Linux / UNIX サーバの運用としてもリスクがあると思う。僕としては、いまなら中古の PC(この場合 Mac は除く)を購入して Linux なり UNIX をインストールするようお勧めするね。

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