Scribble at 2020-05-15 08:47:59 Last modified: 2020-05-15 09:04:56

昨日は会社を14:00頃に退出して、本町まで Osaka Metro の四つ橋線に乗った。客は相変わらず少なくて、長い座席に半分もいない。もともと日中は客数が少なくなる路線だが、まだ利用客が戻ってきているという印象はない。恐らく、減ったままになっている最大の理由は、観光客が一人もいないからなのだろう。ともかく本町で降りてから、ORIX 本町ビルの出入り口を出て、すぐに船場センタービルのダイソーへ向かった。周りを緩衝材で包んだ針金を置いてないかどうか物色するためだった。ダイソーへ入ると、店舗の一部(南側)が縮小されて紳士服の店になっていた。いつものことだが、こういう店に入ると目当ての商品だけではなく、色々と見て回りたくなる。食器から掃除用具から文房具に工具や菓子類など、つい無駄に時間を過ごしてしまうので用心しなくてはいけない。それにしても、ダイソーはノートのデザイン・センスが微妙に優れているところがあるので、意味もなく買いそうになる。あと、アクリルの付箋もいたずらに子供向けの派手なものばかりではないので、一部では「名品」と呼ばれているスモーク・カラー(苔色、墨色、豆がら茶色、白)の付箋は見当たらなかったが、あれも見かけたら意味もなく買っておきたくなるのが不思議だ。

ともかく、針金はなかったので、細々としたものだけ買って、そのまま久しぶりに船場センタービルの二階を9号館から4号館まで歩いた。閉鎖しているテナントはもちろん開いていないのだが、屋号を掲げている店舗はどこもかしこも店を開いている。公式サイトでは、緊急事態宣言が解除されるまで船場センタービルの開館時刻を17時までとしているようだったが、そもそも船場センタービルの地上階にあるテナント(地下は殆どが飲食店)は、もともと17時頃には大半の店が閉まっていたので、ビルそのものの扉が17時に閉まったとしても、あまり影響はなさそうだ。ただし、一部の店舗、もちろん昨日も立ち寄った古本屋などは、17時以降も開いていたので、影響があるのだろう。昨日はもっと早い時刻に立ち寄ったので問題なく利用できたが、4月から5月にかけては閉店せざるをえないか、あるいは営業時間を短くしていた頃もあったのだろう。

そういえば、その立ち寄った槇尾古書店では除籍本として明治書院の新釈漢文大系が並べられていて、『伝習録』と『近思録』を手に入れられたのは幸運だった。新刊書なら 10,000 円くらい、アマゾンで古本を買うとしても、どちらも 3,000 円くらいはする古典中の古典だ。岩波文庫で持ってはいるが、あまりにも古くて注釈そのものが読みにくいため、原典と注釈を合わせた書籍としても定番である新釈漢文大系を一冊 500 円で買えたのは良かった。実店舗の古書店に足を運ぶ機会があると、こうして現実にコストという点でも大きなメリットがある。なお、「除籍本」とあったので蔵書印を確認すると、「松阪大学」とあった。これは、2013年に閉学した三重中京大学だ。一時期は社会科学系の大学院博士課程まであったようだが、現在は跡地に県立の特別支援学校がある。1982年の開学というから、小規模な私立大学が数多く開学した時期よりもさらに遅れてできた地方の私立大学なので、かなり学生を集めるのには苦労したのだろう。ただ、開学のコンセプトであったという「地域密着」をうたうのであれば、名称を「松阪大学」から、いかにも他大学のサテライト校みたいな名前に変えたのは致命的な過ちだろう。しょせん、大学のブランドの8割方は名前だ。たとえノベール賞を受けた人物を招聘しようと、それだけで大学の名前が広がるものではない。地元でちゃんと《自分たちの地域の大学》という印象を広めてから、初めて他の都道府県や全国規模でも堂々と名前を出せるものである。

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