Scribble at 2020-07-29 07:27:39 Last modified: 2020-07-29 07:33:24

いよいよ J:COM から NURO に切り替える準備が整ったので、既に確定した工事の日を待っているところだ。オンラインの情報では、下請けの工事業者が日程を忘れることもあるようだが、それは下請けの歩留まりの問題なので NURO = So-net = SONY の問題ではなかろう。なんにせよ、ネット・ベンチャーの技術系部長をやっていながら変な話だが、初めて光回線を利用するのだから、せめて J:COM のような回線の断絶が頻繁に起きるような品質にはならないことを祈るばかりだ。

実際、Twitter や数多くのブログでは「遅い」と言われているが、僕の環境では J:COM の回線速度は特に遅いというわけではない。ちゃんと接続できているときは NVIDIA の 500 MB のドライバでも見る見るうちにダウンロードできるし、過去にご紹介したとおり Google のスピード・テストでも 200 Mbps 前後は出ていて、回線の速度としては動画を見たり MMORPG をプレイするにも困らない速度だ。困るのは、通信が頻繁に断絶してしまうことなのだ。いったん切れると10秒前後は通信が途絶えてしまい、Google だろうと Microsoft だろうとウェブサイトがすべて「サーバが見つかりませんでした」とか(これは DNS にすら届いておらず、ラスト・ワンマイルや J:COM の局舎内で通信が止まってしまうということ)タイムアウトになってしまう。当然ながら、自宅でリモート・ワークしようにもサーバへ TeraTerm Pro で接続してコマンドを打っているときにも通信が止まるため、うかつにタイプしていると、"# rm -Rf tmp/logs" の筈が "# rm -Rf tmp/" で止まってしまい、"logs" を打ち込んだと思って Enter を叩くと /tmp に入っている他のプロセスのキャッシュ・ファイルまで消してしまいそうになる。もちろん、"# rm -Rf /" などという悪夢は避けなくてはいけないので、常に相対パスのディレクトリを指定するといった面倒臭いことを余儀なくされ、これでは安心して仕事ができない。それに、いまこうして打ち込んでいるフォームのテキストをローカルからリモートへ反映させるときにも通信がタイムアウトする可能性があるし、会社で使っている ChatWork でも、打ち込んだ筈の返事が何も反映されないということがたびたびあるので、必ず送信する前に <textarea/> 要素をクリップボードへコピーしておく必要がある。

そもそも使っている機器を確認すると、モデムはモトローラの安物で、正常稼働温度の上限が驚くことに 40 ℃ である。いまや日本の国内で夏の気温が 30 ℃ を超える地域なんて珍しくもないのだから、ノート・パソコンだろうとモデムだろうとラジカセだろうと機器の本体温度が 40 ℃ を超えるなんて珍しくもなんともないだろう。日本で使う電子機器の稼働温度が上限で 40 ℃ というのは、どう考えても低すぎる。こんなものは、内部温度が外気よりも 10 ℃ くらい高くても稼働に支障がない、アラスカかシベリアで使うような製品ではないのか。こんなものを利用者に配っている時点で、J:COM は劣悪な環境を強いていると言ってもいい。

熱は、いまや GAFA をはじめとする大多数の企業にとって重要な課題である。精密機器は熱に弱く、正常に稼働する設定温度を超えて運用すると、機器の材質が変性したり劣化して寿命が短くなり故障率が跳ね上がるのはもちろんだが、いわゆる熱暴走も起こす。よって、ネットワーク機器やサーバを大量に抱えているサーバ会社やクラウド・サービスを提供する各社は、機器の歩留まりを保つためにデータ・センターの熱対策に多額の資金を投じている。国内でも、技術者はよく知っているように、SAKURA インターネットはデータ・センターを北海道へ移している。いまや、東京のデータ・センターでサーバを運用しているのは、いわゆるベア・メタルの専用サーバを直に触りたいという性癖をもつ技術者に対応する意味しかないだろう。ちなみに、いまや IaaS のレベルでクラウド・サービスを利用している大多数の企業にあって、サーバやネットワーク機器を直に触るなどというハードウェア管理に近い目的があるなら、そもそも他社の IaaS を利用すること自体が目的に反している。そのような状況で、恐らくは必要もなしにハードウェアが近くに無いと困るなどと思い込んでいるのは、技術者としての要求ではなく、単なる趣味の問題だろうと言いたい。それを「性癖」と敢えて呼んだまでのことだ。

このようなわけで、熱対策は多くの IT 企業の課題である。そして、うちのように劣悪なネットワーク機器をつかまされた利用者にとっても重要な課題となりうるので、こうしてモデムの近くに扇風機を設置したり、モデムにヒート・シンクを貼ったりしているのだが、もう契約を解除する予定なのだし、これ以上の対策はしないことにしている。

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