Scribble at 2025-02-07 08:45:39 Last modified: 2025-02-07 09:00:10

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GUGAは、生成AIの社会実装を通じて産業の再構築を目指す、国内有数の生成AIプラットフォームです。AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験「生成AIパスポート」や、AIツール導入時の「IT導入補助金」の申請支援を強化する「GUGA生成AIコンソーシアム」などを提供しています。日本の未来を強くするために必要な生成AIインフラの企画・提供を、官公庁をはじめとする多くのステークホルダーの皆さまとともに推進しています。

生成AI活用普及協会 (GUGA)

公益に資することを目的にしている団体だが、異様にサイトが重い。これはサーバのスペックとかの問題ではなく、ようするに都内のインチキな制作会社がよくやる、殆どの UI を JavaScript だけで実装するという例の未熟な設計が原因だろう。上場企業や大手広告代理店のキャンペーン・サイトで運営するサイトとかを構築・運営したことがない、三流の制作会社がよくやることだ。こんなもん、電通や博報堂の案件だったら納品を拒否されるよ? だってデザイナーとして使うスペックで使ってる僕のマシンで、これだけフロント・エンドの展開が遅いのだ。これはネットワークや僕のマシンの問題ではなかろう。こんなの、一般のエンド・ユーザがまともに使えるわけがない。

で、まずこの手のサイトはマネジメントの面々を眺めるのだが、生成 AI サービスのエンド・ユーザ寄りの団体ということなので、予想通り理事に(まともな業績がある)技術者は一人もいない。「ザ・業界人」という都内の胡散臭い連中が雁首を揃えているだけだ。こういうのは、だいたいが政府や東京都の官僚や政治家や秘書なんかと仲良しで、要は税金のおこぼれをどれだけ引きずり出せるかが勝負の人々である。たぶん機械学習どころか統計学の初歩も知らん連中だろう。

ただ、こういう団体が無意味かと言えば、そうでもない。都内の IT やウェブ制作の業界関係者や経営者なんて、ベンチャーであればなおさら、たいていはリバタリアンである。「規制は悪、脱法行為上等」というマインドセットをもっているサイコパスという人物の割合が大きいという印象しかない。なので、本来なら犯罪者だろうと業界が盛り上がって政府から色々な助成金が下りてくればオッケーという輩だが、それでも参入障壁は必要だ。生成 AI に限らず、エンド・ユーザ向けのサービスというのは、ただのアプリケーションとか教育コンテンツであれば、実は専門学校生でも気軽に開発してリリースできてしまうのだから、ヘタレの自覚があればなおさら、あるていどの参入障壁なり実質的なギルドみたいなものを作っておかないと、本当に有能な若者のベンチャーとかに簡単にイニシアチブや奪われて業界内のヘゲモニーを掌握されてしまう。そういうリスクへ対抗するには、業界団体を作るとか、資格団体を作るといった仕方で勝手に権威筋を名乗るのが簡単だ。こういうことはビッグ・データだろうとアクセス解析だろうと情報セキュリティだろうと、あるいは手芸や料理といった趣味的な活動に至るまでありとあらゆる分野で展開されている、いわば「マイクロ・パワー・ポリティクス」なのである。そして、あるていどはデタラメな連中が勝手に専門家を名乗って商売を始めたり売り込むという状況を低減させると期待できる。だが、こういう団体そのものが数年もすれば形骸化したり、ただの業界ゴロや政府系の助成金ゴロに成り下がることが多いし、それどころかゲームなど一部の業界では逆にヤクザの舎弟企業やインチキな連中が理事になったりしてしまうので、その有効期間は大して長くない。

なお、この団体が主催している「生成AIパスポート」なる資格の試験問題をサンプルで確認してみた。たとえば「テキスト生成AI にできることとして不適切な選択肢を1つ選びなさい。」という設問があって、選択肢は「(1) 短時間での文章の生成、(2) 正確な情報の抽出、(3) プログラミングコードの修正、(4) カスタマーサービスの自動化」(正解は (2))となっている。もちろん生成 AI には何が「正確な」情報であるかの判断基準はないので、(2) が不適切であることは分かるが、ではテキスト生成 AI に「カスタマーサービス」の自動化が何でもできるのかと言えば、そんなことはないだろう。つまり、こういう試験問題を作った経験がない(たぶん、塾の先生や家庭教師のバイトをした経験すらないのだろう)人が問題を作るときにありがちなことだが、自分で勝手に想像している「カスタマーサービス」の意味においてだけ正解や不正解の基準を作ってしまい、他人も同じ基準で判断するだろうと思いこんでいるのだ。しかし、おそらく「カスタマーサービス」などという言葉は相当な範囲で意味の幅がある曖昧な言葉であり、試験問題に定義もなしに使えるような言葉ではない。それこそ、タバコ屋の窓際に座っている婆さんから、FX トレーディングのサポート係まで、接客にかかわる業務は大半がカスタマーサービスなのであるから、それにテキスト生成 AI で対応できるできないと一概に言えないことは明らかだ。また、「短時間での文章の生成」についても、多くの実装ではレスポンスを返すまでに数十秒もかかることがあって、もちろんライターに頼んだり自分で文章を考えるのに比べたら「短時間」かもしれないが、期待するほどの性能ではないなというのが僕の実感だ。つまり、短時間で返答させるための特殊な質問の仕方をユーザが覚える必要があり、それはつまり生成 AI には「そういうコンテクストを与えたうえでしか効率的にテキストを処理できない」という限界があるのだ。

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