Scribble at 2022-06-02 07:50:22 Last modified: 2022-06-02 08:39:21
カレンダーやタスク管理や To Do のオンライン・サービスが毎日のようにリリースされると書いたが、「毎日」は言い過ぎだとしても、こうやって頻繁に新しくリリースされたり、あるいはソーシャル・ブックマークに事実上の叩き台として紹介されるのは事実だ。そしてコメントにもあるとおり、この手の(「車輪の再発明」が或る種の尊称だとすれば)ハックとすら言えない二番煎じの繰り返しに、何か人の考え方や暮らしへ影響を与えるインパクトがあるとは到底思えないんだよね。
"Having more than one calender app is very problematic to me. My life maps only to one real calendar. And since my employer is dictating Outlook for my work life, I am stuck with it for the rest also. I would love to use other solutions though (have looked into calcurse and remind so far) but the hassle of importing/exporting/syncing with other calendar implementations is not worth the effort and has never really worked for me."(いくつもこういうアプリを使うべきだとは思わない。僕は紙製のカレンダー一つだけでやってる。そして雇い主は僕の仕事を Outlook で指示しているから、そういう目的では Outlook も使ってる。何か他によいものがあればいいのだけれど(calsurse を調べてみたり、これまでのことを思い出せば)、でも他のカレンダーと頻繁にインポートしたりエクスポートしたり同期する必要を感じないし、僕には有益でもなかったんだ。)
「日本」とか呼ばれている東アジアの文化的辺境地帯で自称 IT 企業やらネット・ベンチャーやら、そうした企業への就職あるいはそういう企業を興そうと考えている学生、そしてそれらの企業と取引している個人事業主とか、要するにコンピュータとネットワークを使ってソフトウェアという意味でのインフラの開発に従事している人々に言っておきたい。カレンダーやタスク管理や To Do のアプリケーション、つまりは時間や行動を管理するソフトウェアというものは、他人の人生を支配する道具でもある。学生の卒業制作レベルとしか言いようがないサービスやアプリケーションを、面白半分はもとより、どれほどの熱意や善意があろうと、そう簡単に他人に使ってもらおうとは考えないことだ。まずは自分自身で5年くらい使ってみて、最低でも1年というサイクルでどういう利点や欠点があるのかを5回ほど繰り返してみることだ。そして、他人に堂々と紹介できる利点がなければ、それは膨大な数がリリースされている従来のアプリケーションと全く同じであり、開発コンセプトとしてもプログラムとしても、実質的にただのコピーにすぎない。