Scribble at 2024-05-02 17:33:19 Last modified: 2024-05-02 17:45:01
何年も前から、たまに営業メールが送られてくる事案として、SNS などでの口コミを監視しようと言ってくる会社があって、さきほどもスマートフォンで『プレジデント・オンライン』を眺めていると、広告記事にそういう会社の記事があった。でも、こういうものは気にしなくても良い。大企業だろうと中小零細企業だろうと、人事担当者はこんな些事に余計な工数やお金を浪費したり心配する必要など全く無い。
まず最初に言っておくが、SNS で炎上するほどのブラック企業なら、それは自業自得というものであって、気にするも何も本当に駄目な会社なのだから、そういう会社へのアドバイスはしない。そういう会社は炎上のせいだろうと口コミのせいだろうと、人材不足で黙って倒産して市場から消えてなくなるのが経済的な正義というものだ。よって、そういうあからさまに問題がある企業の人事にとってどういうスタンスをとるべきかという話は、ここではしない。僕にとっても、そんなクズ企業のことを考えること自体、時間の無駄である。
どうしてネットの口コミを気にする必要はないかと言うと、一つは、そのような口コミの多くは「自家発電」だからである。ターゲットにする企業の悪い口コミをわざとバイトやクラウド・ワーカーあるいは昨今なら足がつきにくい「闇バイト」で募集した学生などに投稿させて、ほらこんな口コミがありますよと営業材料にするわけである。もちろん詐欺罪だが、営業や広告の人間に詐欺罪なんて言っても馬耳東風であろう。
第二に、いまどきの若者はネットの口コミなんて最初からいくらか差し引いて読むものであるし、差し引けずにネットの文章をガチで受け取るような馬鹿を御社は採用したいですかという話である。ネットの口コミをガチで受け取って応募してこないなら、それは逆に馬鹿が自分から寄り付かなくなるのだから、寧ろ好都合であろう。
企業の部長職にあってこんなことを言うのは身も蓋もないが、おおよそ全ての企業には何かしら問題がある。大半の企業経営者が凡人であり、別に経営やマネジメントのエキスパートでも賢者でもない以上、そして全ての会社はそれぞれ別人が経営している以上、誰かとは折り合わないところがあるものだ。要するに、企業も組織であり人の集まりであるのだから、誰かにとっては都合がいいかもしれないが、他の誰かにとっては都合が悪いのが当たり前である。たとえば、殆どの企業のレビューには「残業がある」といった否定的なレビューがつくわけだが、残業がない私企業の方が圧倒的に少ないのは社会人なら誰でも知っていることだ(もちろん残業がない会社もあるにはあるが、それは非常に特殊な商材や取引関係の企業であり、たぶん取引相手が社長の人間関係に依存しているといった意味で事業継続性はないという別のリスクが高い)。また、「給料が安い」なんていうレビューも実は堅実にものを考えている求職者や大学生であれば、殆ど真面目に受け取らないであろう。なぜなら、そのようなミスマッチの大半の原因は当人の過大な自己評価にあるからだ。だいたいにおいて、従業員の評価方法について企業の人事担当者と本人とでは、評価方法についての知識や経験から言っても人事担当者の方が客観的であり適正であるのは、言うまでもないことだろう。従業員の方が自己評価の優れたスキルや知識や経験を持っているなら、その人こそ人事担当者になっているはずだからだ。