Scribble at 2025-02-27 14:22:37 Last modified: 2025-02-27 14:24:46
当社では代表が10年以上に渡ってメルマガを発行している。今月も返信(全ての従業者に返信する義務がある)を書いていて気づいたのだが、このところウェブで検索しなくなった。つまり、何か知りたいことがあれば、Google で検索するよりも Claude や Gemini に質問するようになったというわけである。どのみち、これらもウェブからリソースを集めて回答しているのだから、キーワードで検索して、出てきた結果からページを開き、そしてページの中に情報があるかどうかを探して・・・なんていう面倒臭いことをするくらいなら、精度に問題はあれ、直に質問を与えて回答してもらうほうがいい。なんと言っても、下らないアフィリエイトや商品ページなどを見なくて済むし、そもそも検索結果の中から「どこが訪れるべきページなのか」を判断しなくて済む。
内容が胡散臭いと思えば、そこで初めて他のリソースを検索してみればいいのだ。そして、内容が胡散臭いかどうかを判断する基準として、僕ら自身の学識なり常識なり背景知識なり経験が役に立つわけである。生成 AI を役立てるには、生成 AI に依存しない勉強や考察や経験が必要なのであって、生成 AI と変わらないていどの経験や思考力や知識の人には、生成 AI の回答を吟味する基準そのものがないかリソース不足ということになる。なので、生成 AI を使うから危険だなどと気軽に批評している人たちというのは、自分に自信がないのか、あるいは他人も自分と同じくらい AI 並に未熟で無知だと思い込んでいるにすぎない。
こういうわけで、検索しなくなったわけだが、もともとは膨大な数のウェブ・ページがあってこそモデルをトレーニングできたわけなので、ウェブサイトが全く不要になるわけではない。そして、ここ20年くらいのあいだ、皮肉なことに「セマンティック・ウェブ」だの「構造化ドキュメント」だの「マイクロフォーマット」などと言ってきたキャンペーンというのは、いまとなってはウェブサイトの運営者が自ら進んで生成 AI の「ごはん」であるウェブ・コンテンツのメタ情報を丁寧に用意してきたようなものではなかったのかという気もする。