Scribble at 2024-06-16 08:15:17 Last modified: unmodified

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写真コンテスト「1839 Awards」が「AIで生成した画像を審査対象とする部門」を用意した結果、AI生成画像と偽って投稿された「人間が撮影した本物の写真」が入賞してしまう事態が発生しました。

「AI写真コンテスト」で「人間が撮影した本物の写真」が入賞する珍事が発生

「珍事」というよりも、画像の判定制度がそれだけ未熟だってことだろう。あるいは逆に、既にぜんぜん見分けがつかなくなっているかのどちらかだ。もし前者であれば、逆に生成 AI の画像を写真と偽ってエントリーしても主催者側の判定ツールを騙せてしまうことになる。でも、判定ツールの精度が上がっていけば区別できる精度が高くなっていくと期待できる。しかし、もし後者であれば、既に一定の精度を越えられないということだから、今後もこういう事例が一定の割合で生じることになる。

僕は、撮影された写真に少しでもレタッチすることが認められているなら、生成 AI の画像と撮影された写真との区別は、一定の精度を越えては正しく判別できないと思う。理由として、極端な事例を考えてみよう。それは、一色で均一となっているモノクロの「作品」だ。Stable Diffusion だと "simple background, monochrome" などというキーワードを入れると出やすくなる。写真なら光を反射しにくい素材を撮影する。レタッチが認められるなら、どちらの出力画像も全てのピクセルの色情報を均一にするようなフィルターをかけるだけでよい。こうすることで、生成 AI の画像だろうと写真だろうと、しょせんはどちらも個々の色情報は同じとなるため、理屈では区別できなくなる(メタ・データを解析するのはナシとして)。

つまり、デジタル・カメラなんてものを使い、しかもレタッチする前提で撮影してる時点で、商業写真ならともかく、アートとしては負けなんだよ。

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