Scribble at 2025-08-20 13:52:07 Last modified: 2025-08-20 18:44:22
95%の企業の生成AIパイロットが失敗**しており、収益加速にほとんど貢献していない。 / 成功しているのはわずか5%で、特に若いスタートアップが一つの課題に集中し、パートナーシップを活用して成果を上げている。
いまのところ、アメリカですら9割以上が失敗に終わっている生成 AI の導入というわけだが、個々の指摘を眺めると当たり前だとも言える。
まず、ツールを正確に理解して運用する知識や応用が不足している。これは、生成 AI がどうにかできる問題ではなく、使う側の人間がたいていは凡人であり、業務知識や業界知識を十分にもっていないし(だからこそ、ビジネス・プロセスを記述する XML の規格が20年前にできても、いやそれ以前に OR なんていう初等レベルの経営分析手法が半世紀以上も前にできても、一向に普及しないわけである)、ツールの知識も自分の手が届く範囲のことしか知らない。よく言われることだが、パソコンを業務に使っている労働者のうち 80% くらいの人が「Windows のコントロールパネル」とは何のことか知らないと言われているし、パソコンで何か問題が生じたときのトラブルシューティングもできない。僕らのように40年以上もパソコンを使っているか、ハードやソフトに経験や知見がある有能な人間、もちろん僕はその両方を兼ね備えているわけだが、そういう人材への依存が強い。でも、待遇が悪ければ天才だろうと有能だろうと善人だろうと積極的に動くわけがないし、いくらでも動けるわけではないので、企業ごとの学習には一定の限界があり、そして大多数の企業では有能な人材に限って冷遇されるので、その限界はすぐにやってくる。その結果、たいていの企業では生成 AI のまともな導入なんてできないし、その原因がなんであるかを、これまた凡人にすぎない大多数の経営者は理解しておらず、僕ら有能な人間もそれを指摘したりアドバイスしないわけである。それは、自分が社内で優位な立場にある現状を壊す恐れがあるからだが、僕らのようにたいていの新入りなんて歯牙にもかけないレベルの人間にとっては、そんな保身なんてセコい感情が理由なのではない。それは、まことに単純なことだが、そういう実情を指摘したところで何の報酬も得られないことを、有能な人間に限って知っているからだ。有能な人間というのは、自分の有能さに凡人がどれほど依存するかを子供の頃からの経験で熟知している。もちろん、凡庸な人間に悪意はないが、悪意がないからこそ気軽に、他人の事情などお構いなしに物事を依頼したり命じてくる。ということで、たいていの凡庸な勤め人が学習意欲もなければ勉強不足であることも織り込み済みとして施策や政策を決定するのが妥当であろう。ただし、それを無条件に仮定すると国家官僚のような安物パターナリズムに陥るので、そういう人々が8割程度はいるが、そうでない人も2割くらいはいるというパレートの法則くらいは例外の余地を残すほうがよいだろう。
次に、ChatGPT のようなツールが企業の利用に適していないのは当然であり、それゆえに RAG のような手法やカスタマイズのサービスがある。これも、LLM の特性を正確に理解していれば工学部の学部生どころか高専の生徒にすら分かるような話であって、改めて指摘して過剰な期待に冷水を浴びせる意図もあろうが、いまさら MIT がリポートするほどのことでもない。
また、チャットの性能などを過信して、多くの企業が「バーチャル営業マン」として期待しているようだが、こんなオモチャを野に放ったところで御社の、たいていがガラクタやゴミみたいな商品やサービスが売れるわけもないのだ。実際、営業力は商材のケーパビリティに比例するのであって、どれほどの剛腕営業であっても商材がゴミなら売上の限界は低い。口先のテクニックや属人的な魅力が功を奏することは事実だが、元営業マンの会社が営業サービス以外の事業で上場した事例は少ないのであって、どれほど有能でも営業力は「営業マン」としての能力でしかなく、営業担当の取締役にはなれても、そこで企業人としてのキャリア・パスは頭打ちになるほかないのだ。ああ、あとは詐欺師という別のルートはあるがね。