Scribble at 2020-12-09 18:39:55 Last modified: unmodified

"essential worker"(または "key worker" や "critical worker")という言葉は、"essential services" という区分が使われてきたことに由来しているようだ。この "essential services" というのは、簡単に言えばストライキを自由に起こす権利が制限されている業種や職種に該当し、消防士や警察官や電力会社の社員や医師などが含まれる。ILO が公表していた文書によると、"essential services" に該当する業種や職種は、その国の状況に依存するという理由で、常に特定の業種や職種が "essential" だと言えるわけではない。しかし、その業種や職種に当たる人々や団体が一定以上の長期間に渡って、あるいは一定以上の範囲に及んでストライキを継続した場合に、多くの国民にとって安全や健康が脅かされたり、"essential" ではない業種や職種が不足を補うために不可欠となってしまうような場合に、その業種や職種を "essential" だとしている [ILO, 2006: 119]。よって、例えば或る国の半分の医療従事者が1年に渡ってストライキを敢行するとした場合、その国で病気になる人をサポートするには、外国の病院へ輸送する特別なサービス(もちろん、救急車のドライバーもストライキに参加しているのだから)が必要となってしまうだろう。逆に、或る国は「医療立国」を政策としていて、国民の8割が医療従事者であるなら、その国の半分の医療従事者がストライキを起こしても、その国の国民の医療に関しては大して懸念がないかもしれない。

ILO (2006), "Freedom of Association: Digest of decisions and principles of the Freedom of Association Committee of the Governing Body of the ILO," Fifth (revised) edition, the International Labour Office, 2006.

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