Scribble at 2025-02-13 09:28:47 Last modified: unmodified

添付画像

「東京商工リサーチ企業情報」の「経営者能力・成長性・安定性・公開性及び総合世評」(2013年)によれば、この会社の評価は100点満点中50点未満で、さらに50点未満を4段階で評価した場合、下から2番目という状況で、はっきり言って評価は良くなかった。

理工系出版社「(株)昭晃堂」が解散

理工系のテキストを出版していた「昭晃堂」という会社は、上の記事では10年以上前に解散していて、Google Maps で所在地を確認すると人気のない建物があった。小さいサイズの文字が詰め込まれたような版面の教科書が多く、内容については高く評価する人もいたが、昨今の大学生では消化しきれない分量と密度の本が多いという印象がある。イラストや図表を多く使わないと分かりづらいという偏見に陥っている学生が多い昨今では(認知心理学や教育心理学の成果として、文章よりもイラストが「わかりやすい」というのは、錯覚である)、僕は好まない言い方だが「硬派な」テキストをつくる出版社は、売上としても著者をはじめとする大学の販路でしか経営を保てなかったのであろう。しかも、この出版社の電子書籍は一点も見かけたことがないので、そういうことへの対応も遅れたと思われる。

以前にも紹介した話題なのだが、この出版社のロゴは妙な印象を覚える。上に添付した画像でタイポグラフィーの素養がある職業的なデザイナーなら気づくと思うが、「昭晃」の間隔と「晃堂」の間隔が微妙に違っている。もちろん「晃堂」の方が狭い。そして、わざわざこれを版下に使い続ける理由が想像できない。わざと違和感を持たせて社名を記憶に留めてもらおうなんて意図があるとは思えないし、DTP であろうと昔ながらの版下シートを使っていようと、文字の並びを変更するのはバイトでもできる作業だ。経営陣が何らかの理由でカーニングの再調整を許可しなかったという、どうも特殊な事情があったのかもしれないということしか想像できない。それ以外に、素人でもあるまいし、こんな気色の悪い自社のロゴを放置する編集者がいるとは思えないからだ。

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