2022年06月21日に初出の投稿

Last modified: 2022-06-23

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パソコンは一人一台の時代になり、オンラインでの授業の機会も増えています。ここでは学生の皆さんそれぞれに合った最適なパソコン選びに必要なポイントをご紹介しています。

大学生におすすめのノートパソコンと周辺機器

いまどき高校生でも自分のパソコンを持ってる人はいると思うが、大学に入って自分のパソコンを初めて買う人もいることだろう。そういう人たちに、どういう条件でどういうパソコンを買えばいいかという話題は、本当に色々なメディアや事業者が記事やページを公開している。当然だが、上記のようにパソコンのメーカーや小売事業者が公開しているページというのは、自社が提供する商品を選んでもらいたくて、こういう記事を書いている。こんなことくらい、大学生にもなれば「メディア・リテラシー」なんて言われなくても分かるだろう。しかし、個人のブログや新聞社のサイトで公開されている記事の大半も、実はこれらと同じような下心があって制作・公開しているページばかりだ。要するに、中立の観点や基準で書かれているページなんてないのだ。また、中立ではありえないもう一つの理由として、書いている人物の知識や経験が偏っているからでもある。僕も、もちろんあらゆるメーカーのあらゆる機種を知っているわけではないし、それらを評価するための公正で厳格な、そして「正しい」基準を心得ていると自負できるわけでもない。よって、僕の文章も一つの参考として眺めるていどにしておけばよいだろう。ただし、大半の個人がブログなどで書いているクズみたいなアフィリエイト記事に比べたら、それらを遥かに凌駕する公平で正確で高度な内容であるとはだけは言っておこう。

まず、大学でレポートを作成する道具やノートの代用としてパソコンを使うというスタイルは、僕が大学にいた頃は普及する前の状況だった。僕が大学院の博士課程に入学して、ようやく初めて大学の情報処理センターといった特定の施設にワークステーションが配備された。そして、それに接続するクライアントのコンピュータが何台か設置されて、学生は順番に並んでコンピュータを使っていたわけである。これは1990年代後半の神戸大学での話だ。もちろん、これでは僕自身が自分の用途で十分に時間を使ってコンピュータを使えないため、僕は富士通のノート・パソコンを購入して、当時は 3.5kg くらいあったのだが、大学と自宅を持ち抱えて行き来していたものである。僕が1999年に当サイトの前身である個人サイトを制作したのは、そのノート・パソコンであった。

まず、みなさんが学生として何らかのコンピュータを使わなくてはいけないという事情は、不問にしておきたい。いまさらパソコンなしでも大学生活を送れるといったハックをあれこれと考えたり指南したところで、それを実行するためには一定のコンピュータやネットワークやプログラミングのスキルなり知識が必要なのであるから、それをもっていない学生に要求したり仮定するのは不見識というものだろう。それを要求するなら、中学生や高校生の頃から色々な知識やスキルの習得に導いておかなくてはいけない。どのみち大半の学生は、大学院へ進学するわけでもなければ、特に何か特定の企業で特定の仕事に就きたいなどという意欲や目標を入学した時点からもっているわけでもないだろう。仮に、あなたが医大の学生だとしても、どの科に進むか決まっているとは限らない。したがって、そういう学生たちに「理系用」とか「文系用」などと、書く側の偏見だけでパソコンのスペックを想定するような、無礼な人間の書く文章は無視するよう、学生のみなさんにはおすすめしたい。

次に、パソコンとは言っても幾つかの種類がある。もちろん、デスクトップ・パソコンやノート・パソコンという区別が最も分かりやすいけれど、最近ではタブレットとしても使えるノート・パソコンがあるし、一体型のデスクトップ・パソコンとして液晶画面をタップできるようになっていたり、あるいは家庭用として衛星テレビのチューナーが付属している機種もある。それから、パソコンには OS(基本ソフトウェア)をインストールするのがスタンダードな使い方だが、それにも Windows、macOS (UNIX)、そして Linux などの種類がある。当たり前だが、大半のメーカーは macOS を搭載するパソコンなんて作っていないから、そういうサイトの記事は Windows のパソコンしか選択肢に上がらないという偏りがある。ただし、いたずらに公平さという基準を満足することだけを盲目的に人の生きる目標であるかのように信奉して、macOS が単に選択肢の一つであるというだけの理由で、大学生にいきなり Mac のパソコンを勧めるというのは、僕はネット・ベンチャー企業の部長として感心しない。はっきり言えば Mac での作業しかできないソフトウェアやハードウェアを使う研究室や講座に入るわけでもなければ、たいていの大学生活において Mac を使うのは教員や他の学生とも話が合わずに現実的ではないし、Mac しか使えない新卒なんて大半の企業にとっては迷惑な人材でしかないからだ。もちろん、Linux については言うまでもないし、大半の学生は Linux そのものを知らないはずであるから、選択肢に入らなくても問題ないだろう。僕はこういう状況をオープン・ソース運動とか色々な社会的な観点から「由々しきことだ」と評論しても、それぞれの大学生がパソコンを選ぶという場面においては効果がないと思う。そういうことは、自分でパソコンを選んで買える立場になってから知ったり考えてもいい。新入生にいきなり Linux のパソコンを勧めるなんて、慶応の強姦サークルや早稲田の中核派予備軍に勧誘するのと同じである。

ここで、Mac のユーザの一部は「会社なんて Microsoft Office さえ使えたらいいのだから、Mac 用の Microsoft Office を使えてたらいいだけだ」と反論するかもしれないが、気の毒にそうやって Office だけ使える人材として入社し、Windows の扱いが全く不慣れな人々は、それだけのことで会社から「無能」というレッテルを貼られていることに気づいていない。何かパソコンでトラブルがあると、大企業や上場企業なら情報システム部とか総務部とかに相談すれば社内のヘルプ・デスクが対応してくれたりするかもしれないから上司には気づかれないかもしれないが、圧倒的多数の中小零細企業にそんな便利な人材はいない。単に当人が周りから「無能」と見做されるだけなのだ。大学では Mac で大規模計算なり高度な機械学習のシステムをうんぬんなどと言ってみたところで、たいていの人は Windows ユーザなのだから、Mac や Linux を使っていた人というのは、Windows が使えたうえで、敢えて特殊な環境でパソコンを使っていたと見做す。そして、そういう偏見を出会うたびに全員に対して訂正して回るなんてことを、サラリーマンはやっていられないし、どこで誰があなたを評価しているかは、当人にも分からないのだ。もし何らかの好みや方針があって Mac を自分のパソコンとして選び、なおかつ企業や官公庁への就職を希望しているなら、並行して必ず Windows も使い慣れるようにしておくことをお勧めする。そもそも、Windows のパソコンに比べて割高な Mac のラップトップを買うなんて、実際の動機は大半がクリエイター志望の未熟な自意識か、ナンパの道具として使うことだろう。もちろん、その程度の理由で Mac を使ってもいいが、それにはそれだけのリスクがあると自覚することだ。

大学へ持ち運ぶという用途をスタンダードとするのであれば、ノート・パソコンを使うのが当たり前となろう。僕は8ビットのデスクトップ・コンピュータを持っていた中学時代に、文化祭で 3D にモデリングした古墳のグラフィックスを展示するために、自宅から担いで学校まで(東大阪市の東花園から大阪市の天王寺区まで)通ったことはあるが、そんなのは例外中の例外だ。ということで、Windows を OS としてインストールしたノート・パソコンというのが標準的な条件になるだろう。これは、ここと似たような話題を扱っている大半のページでも同じことを書いている筈だ。さらに言えば、大学教員の個人的な趣味で使っているだけの Mac に合わせて、学生まで Mac を買わなくてはいけない道理なんてない。学術研究であっても、いまや殆どの条件では Windows だろうと Mac だろうと同じことである。自分が Mac を使っているからというだけで、Mac に最適化したハードウェアやソフトウェアを買い揃えたり、あるいは自力で開発して、学生にも同じ環境を要求するというのは不見識である。はっきり言わせてもらえば、いまどき一種のアカハラと言ってもいいだろう。

となると、Windows のノートという前提が揃えば、後は殆どスペックだけの問題になる。Microsoft Office が必要かどうかなんて、こんなものは必要なら後から Microsoft 365 のサブスクリプションを契約すればいいだけの話である。最初からプレインストールしたパソコンを買うべきかどうかなんて問いは、僕に言わせれば Office をプレインストールしたパソコンを売りたい連中が掲げるだけの〈偽の二者択一〉であって、愚問でしかない。

ここで押さえておきたいのは、ノート・パソコンはデスクトップ・パソコンよりも割高であり、さらに故障しやすいという事実だ。これはノート・パソコンを買わざるをえない状況では避けられないことだが、後で就職するなり起業するなりという環境の変化に際して、ノート・パソコンでなくてもいいという状況になれば考慮すればいいだろう。そして、この事実から最初に大学生がしっかり自覚しておけないといけないのは、ノート・パソコンをスマートフォンのように気軽にソファや机に投げ出してはいけないということである。企業においてノート・パソコンを使う営業職やディレクター職の人間は、たいていこれをプライベートでも、酷い場合は会社の執務室でも平気でやる。道具を放り投げるのが、「ビジネスマン」らしくて格好いいと思っているのだ。学生のみなさんは、どこの大企業や零細ベンチャーに入社しようとも、こういう無能なバカどもの真似をする必要はない。僕が見聞きしている範囲でも、大多数の企業ではノート・パソコンの耐用年数は2年くらいしかないのだ。パソコンというのは、法人税に関連する法令の基準では4年が減価償却の年数と想定されているし、僕らのようなエンジニアがチューニングして使っていれば、Adobe のアプリケーションで画像の編集をしながらでも5年は平気で使えるのだが、雑に使えばたちどころに故障する。すると、修理にもそれなりのお金がかかるし、修理しているあいだに使う代用のパソコンを二重に買って会社に常備しておかないといけないという無駄も発生する。これは、厳密に言えば会社の資産を不当に扱って無駄な出費をさせていることになるので、或る種の「背任的行為」でもある。

さて、そういうわけで、割高であり故障しやすい精密機械のノート・パソコンとして、どういうスペックの機種を購入することが適正だろうか。こういう質問を掲げたり、大学生にアンケートをとったなどという記事を見ると、馬鹿でもわかるように、みんながみんな「ハイ・スペックのマシンを買っておくべきだ」という話になる。しかし、本当にそうだろうか。まずこれも馬鹿でもわかるように、お金があればいくらでもハイ・スペックのマシンは買えるが、たいていの家庭にそんな金はない。入学金や授業料はもちろん、医大の場合は事実上の強制で色々な「寄付金」を要求されるのが相場であろうから、入学する時点で大学に払う金だけで数百万円から数千万円が吹き飛んでしまう。これに加えて、地方から都会の大学へ出る場合はマンションなどの部屋へ入居するのに必要なお金もかかる。

ノート・パソコンのスペックは、これら全体に家庭の資金を配分するという観点で見て、一にも二にも優先するべきことだろうか。大学生になるのだから、まず最初に親と一緒にこれを考えるべきだろう。僕が大学生の使うパソコンのスペックについて書かれた記事を読んでいて、何よりも腹を立てるのは、こういう観点が完全に欠落している記事ばかりだからだ。就職すればなおさらだが、僕ら企業人は他人さまの稼いだお金をいただいてサービスを提供したり物を売るし、同じ会社で他の部署が稼いできた売り上げの利益を運用し、その中から自分の給料を受け取る。そういう、他人との関わりや契約や取引や相談などを通じて物事を決めて、一定のお金の使い方を決めるのだ。大学生にもなれば、親とそういう予行演習くらいやってもいい筈だし、自分一人で大学生活にかかる資金を貯めたというなら、なおさら使い方を厳しく検討するべきだろう。

スペックの話は、実は調べたら分かるように、こんなことは幾つかのポイントがあったうえでのバランスという問題でしかない。つまり、10万円という予算で Core i9 を積んだノート・パソコンなんてありえないという上限がかならずあるのだ(上記の DELL technologies のサイトだと、Core i9 を積んだノート・パソコンの価格は、最低でも31万円である)。しかるに、幾つかの選択肢をもとにした、実は想像するよりも少ない組み合わせだけで判断することになる。よって、パソコンに幾らの予算を振り分けられるのかを決めてから、予算に応じた機種を選ぶことになる。そうして、「最低限の必要なスペック」を決めてから、重要でないスペックを減らしていけば、どれを選べば良いかはおおよそ分かる。後は、その機種をどこで買えば安いかを調べるだけだ。

恐らく、スペックとして着目するべきなのは CPU、メモリ、ストレージの容量と種類、それから重量とサイズくらいだろう。大学生がレポートの作成やリモート授業でのメディア再生などに利用するという標準的な用途を考えれば(つまり、そのパソコンで MMORPG をプレイするなんて特殊な用途は想定しないということだ。やりたければ自分でバイトして買えという話である)、恐らく優先したいスペックは既に述べた三つとなる。CPU は Core i5 か Ryzen5 になるだろうし、メモリは Windows を問題なく使える 8GB、そしてストレージも Windows のアップデートで次々と追加される山のようなパッチを保存するために、500GB SSD が基準であろう。本日の時点で、ヨドバシカメラのサイトでこれらの条件で検索すると、希望小売価格でも10万円、店頭価格では8万円前後の機種がある。これが標準的なコストであろう。ただし、これらの中にはカメラが内蔵されていない機種もあるため、USB などの外付けウェブ・カメラを一緒に購入する必要があることも考慮しておくといい。また、Microsoft Office が入っていないことも多いから、これは後から Microsoft 365 Personal(年間で12,984円)を契約してインストールすればいい。

そして最後に考えておきたいのは、予算と、必要なスペックを決めて、それを満たす機種が販売されている店やサイトを見つけたとする。予算が10万円で、必要なスペックを満たすマシンが送料・税込みで8万円で販売されていたとすると、予算とは2万円の差がある。ここで、2万円高い機種を選びなおして予算いっぱい使うというのは、簡単に言うと赤坂や日比谷や新橋や汐留あたりに履いて捨てるほどいる、労働組合員として寝ていても給料が上がるとか、あるいは毎年のように莫大な予算を広告や営業に使えて、逆に使い切らないと「不要」として財務側に予算をカットされてしまうので、無理やりでも金を使おうとするような、官公庁とか上場企業の典型的な無能社会人の思考回路だ。学生は、そういう無能の思考を真似てはいけないと力説しておきたい。その2万円は、もっとハイ・スペックなマシンを選びなおすために使える「チャンス」や「余り金」ではない。最初からハイ・スペックなマシンを買っておけば「後で困らない」などと、ここで議論しているような話題を扱うブログ記事やメーカーのページは頻繁に言うわけだが、そんなことは現実にはない。後でスペック不足で困るときは、たかだか1万円や2万円ていどの追加で買えたスペックのマシンでも、そのときになれば足りなくなるのだ。

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