Scribble at 2024-11-03 08:49:14 Last modified: 2024-11-04 00:27:32
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が進めるインフラ強化計画「サウジ・ビジョン2030」をめぐり、携わった労働者のうち2万1000人が死亡していることや、労働者が1日16時間も働かされているなどいくつかの情報が暴露されました。
これな。日本でも、砂漠のど真ん中に何百キロメートルという人工の空間を建設してるっていうことで、なにやら「未来都市」っぽいノリで報道してるのを観たことがあるけど、正直なところサウジアラビアなんていう、実は北朝鮮と大して変わらない専制国家がやってる国家プロジェクトなんてロクなもんじゃないだろうなと思ってたら、これだ。別に老荘思想なんかにハマってたりはしないけど、こういう明らかに不自然なことをするには、やはり人道にも反する政策が必要ということなのだろう。
なので、巨大プロジェクトという意味では同じだから、元考古学少年として言っておきたいことがある(そして実際に中学生の頃にも言っていたことだが)。たとえば現在なら「歴女」とか「城オタク」とか言われて喜んでる連中は、昔も、発掘調査の現地説明会とかに足繁く通う「考古学ファン」なんて人々がいた。ああした人々の大半は、もちろん無邪気なだけで悪意や酷い過失はないわけだけど、寺社仏閣や城を建設するのに、いったいどれだけの人たちが駆り出されて使役されてかということは分かってて「五重の塔推し」とか「姫路城可愛い」とか口にしてるんだろうかって思うんだよね。僕が、こういう人たちのやってることって、結局は埋蔵文化財の保存や埋蔵文化財を保存する意義について殆ど貢献しないと思ってるのは、そういうところにも理由があるんだよ。僕が専門にしていた古墳時代についても、ずいぶん前から下らないイベントやキャンペーンを展開してる連中がいるけど、それでいったいどういう成果があったのだろうって思う。あんたら「考古学ファン」なり「歴史ファン」とやらは、確かに当時の古墳を造営するために使役された下層階級とか奴隷の子孫ではなかったからこそ、こうして何百年も後の時代に生まれてこれたんだろうけど、その当時に使役されて死んだ大量の人々は子孫を残せなかったわけで、それこそ巨大な生存バイアスというものだ。