Scribble at 2021-10-14 22:38:30 Last modified: unmodified
手短に書いておくが、次の四冊は読まずに古本屋へ送る。
・松野弘『サラリーマン社会小事典』(講談社、2001)
・深沢隆司『SEの教科書』(技術評論社、2006、いまどき奥付に「平成18年」とか書くなよ…)
・深沢隆司『SEの教科書2』(技術評論社、2008、いまどき奥付に「平成20年」とか書くなよ…)
・藤井義彦『経営者格差』(PHP研究所、2007)
最初の時代錯誤も甚だしいタイトルの本は、歴史の一コマについて知っておくていどの社会学的詮索といった動機で買ったものだが、もうそんな些末な動機でものを知る必要などない。20年前の「サラリーマン」の、せいぜい報道の網にかかったていどの値打ちしかない「実態」なるものを知ったところで、いったいマネジメントとか他人との協働ということを考えるにあたり、何の役に立つのか。
そして次の2冊を読む必要がなくなったのは、もちろん僕は「SE」などという下っ端の技術営業が学ぶべきノウハウなど知る必要がないステージの人間だからだ。確かに銀行の基幹システムなどとはスケールが違うものの、ナショナル・クライアント案件を担当する開発の責任者として、入社した時点で既に「システム・アーキテクト」の肩書を持っていたのだし、前職で RedHat 8(RHEL8ではない)を初めて扱った20年くらい前の頃ならともかく、こういう本をいちいち読み直すほど耄碌してもいないし、エンジニアとして停滞どころか退化もしていない自負がある。
そして最後の『経営者格差』は、トラブルや無能の事例集にすぎない。これもまた、社会学的な好事家癖のような動機で手にとったわけだが、やはり些末な事例を次から次へと読んでいったところできりがないし、著者の偏った経験の道筋を後から走っているだけでは、現実の企業の部長職にある者として時間を費やす価値があるとは思えない。