Scribble at 2023-02-09 11:33:34 Last modified: 2023-02-09 11:44:13

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602 - Abandoned-Failure To Respond Or Late Response

SHAVETTE - Trademark Details

"shavette" という名称について補足しておきたい。アメリカでは2017年に形式的には "abandoned" というステータスになっていて、確かに DOVO Solingen が "shavette" という言葉を使っている事業者を「商標権の侵害」という理由で訴えることはできない。でも、"shavette" が替刃式の straight razor 全般を指す言葉として普及しているとまでは言えないため、一般名詞化したとまでは言えない。実際、DOVO Solingen は商品名として "shavette" という言葉を使い続けているため、これは商標としての「行使(use)」を続けていると見做されるからだ。単に商標を維持するためだけに、商品がなくても "shavette" という言葉をウェブサイトなどで表記しているというだけではなく、商取引において実際に使われているということだ。

ここで注意したいのが、"abandoned" にも幾つかの種類があって、上記のような "ABANDONMENT-FAILURE TO RESPOND" というのは、単に当局の拒絶に抗弁せず、時間切れによって申請を放棄したものとみなすというだけの話でしかない。よって明示的に放棄された "EXPRESS ABANDONMENT" とは違って申請そのものは先に出したという事実が残るし、商標のステータスが "dead" とされていても、それだけでは明示的に申請を放棄したかどうかは不明である。そして、"shavette" については DOVO Solingen が正式に申請を放棄してはいないため、"abandoned" または "dead" というステータスであっても、DOVO Solingen には senior user としての地位が推定できることになる。つまり、実際に商標を登録していなくても、先に出願した経緯があると言って相手を訴えることができるかもしれないという地位をもっているだけで DOVO Solingen は有利なのである。

雑に "shavette" なんて言われても、本物の DOVO Shavette で使う替刃には長短の二種類あるし、替刃式だというだけなら安全剃刀も替刃式だ。それに、straight razor のブレードの交換方法や装着方法にも幾つかのタイプがあるし、日本剃刀のような折り畳みできないものも "shavette" と呼ばれていて、これでは逆に混乱するだけだと思う。僕は DOVO Solingen の shavette で使える長い方の替刃はどうでもいいので(あれは髭剃り用の替刃ではない)、つまるところ短い方の替刃(安全剃刀用に製造されている両刃の替刃を半分に折ったもの)を装着する、折り畳み式の straight razor だけを、装着方法の区別なく何らかの名前で呼びたいわけであるが、これが難しい。

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