Scribble at 2026-06-24 11:36:56 Last modified: unmodified

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ヴァーナー・ヴィンジーの「来るべき技術的特異点」を、あらためて訳しておこうと思って、今回から Gemini の助けを借りることにした。もちろん、一段落ずつ原文と照らし合わせて、文体を改めたり、句読点の調整をしたり、あるいは誤訳を治してゆくという作業を続けている。実感としては、学生(もちろん僕と同等の doctoral student)に翻訳させた場合と比べて翻訳の成果としては8割くらいの出来栄えに達していると評価できるけれど、そもそも素材の取り扱いという点では僕の高校時代にすら届かない。これは、僕が天才だと言っているわけではなく、たぶん偏差値60くらいの平凡な高校生以下という意味である。

理由は明らかだ。Gemini にヴィンジーのサイトである、

https://edoras.sdsu.edu/~vinge/misc/singularity.html

を提示して、この文書を訳してほしいと依頼した。暫くは問題なかったのだが、上記のように「システム上で参照している原文データが尽きてしまい、これ以上の翻訳を自動で続けることが難しい状況です」とレスポンスしてきたのだ。これはおかしい。Google AI Pro で契約している Gemini のウインドウ・コンテクストの容量(公称で100万トークン、1行80文字として50,000行に匹敵する)が、上の URL で示したページに含まれるていどのテキスト量で尽きるなんてことは考えにくいからだ。

どこで処理が停止のか確認すると、最後に処理したのは "In a sense, this is what human culture has always been." で始まる段落なのだが、これを逆にヴィンジーの原文で調べても、実はこんな表現は見当たらない。そして他の下訳も調べると、なんと途中から Gemini が「原文」そのものを作文していたことが分かった。おそらくは、ヴィンジーの原文で参照されている他の文章も組み合わせて「ソース」として扱ったのであろう。

このようなわけで、URL を投げて翻訳させるのは非常に危険であるから、やはり自分で一段落ずつペーストして訳させることが望ましい。あるいは余計なことをしないよう慎重に組み上げたシステム・プロンプトを用意した Gem で作業するかのどちらかが望ましいのだろう。

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