Scribble at 2021-12-07 14:27:19 Last modified: 2021-12-07 15:55:13

ネゲヴ・ベン=グリオン大学(Ben-Gurion University of the Negev)というイスラエルの国立大学でコンピュータ・サイエンス学部の教授をしているエイモス・ベイメル(Amos Beimel)の、秘密分散法に関するサーベイ論文を見つけた。この人物は、他にも差分プライバシーの研究をしていて、僕が関心を持つテーマで数多くの成果を出している。

困ったことに、たとえば国内で科学哲学のプロパーを調べるとしても、僕のように日本科学哲学会の正会員ですら、どこの誰が何をしているのか検索だけで調べることは非常に難しい。確かに、日本のプロパーが国内で業績を上げるとすれば、ほぼ『哲学』『科学哲学』『科学基礎論研究』といった学術誌しかないため、それらのバックナンバーを調べたら良いということになるが、もちろん他にも海外のカンファレンスに応募した論文があったり、森岡正博氏の同人誌や大学の紀要といったものまで含めたら、まだ幾つかあろう。それでも、正式に業績としてカウントできる範囲で言えば、個々の研究者が発表した著作の一覧を自分のサイトなりページに掲載するという事例は、いまだに少ない。これで高校生に「誰の元で学ぶべきか」を選択してもらうなんて、現実には不可能だろう。よって、オンラインなりマスコミでのスタンド・プレイに興じている俗物どもに人が集まるという話にもなるわけだ(もちろん、そんな理由で集まってくる連中が学術研究者として何かを継承するなんて実例はない。実際、関大でファンと称する女子大生を引き連れていた宗教学の教授のもとで、まともな業績を上げた弟子など一人もいない)。

そういえば、以前も書いたことがあったけれど、秘密分散法について解説するサイトを運営していたアジア系の学生は、あれからどうしたのだろう。サイトもなくなっているようなので、ああした打ち上げ花火のごときサイトを作って名前を売るというパフォーマンスが、大学なり institution に席を得るための手法として有効な場合があるのだろうか。正直、学生の能力なんて解説サイトよりも現実の業績(論文掲載数)とか、アメリカでも結局は伝手の方が効果あると思うけどなぁ。

あと、そろそろ秘密分散法はしっかりと調べて勉強しつつページを作っていきたいのだけれど、肝心の ISO の規格書をどうやって手に入れたものか。そもそも、58 スイス・フランと言えば8,000円近い規格書が二つも出ているので、これは持っておきたいけれど手が出ない。ビット・コイン関連の IT ベンチャーとかに勤めてたら、稟議を出して会社に買ってもらうことはできると思うけれど(実際、秘密分散法を応用した実装例はある)、いまのところ PIA に関連する規格書を買ってもらったことがあるくらいだ。

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