Scribble at 2024-06-09 14:22:05 Last modified: unmodified

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オンラインの新聞サイトというものが、紙媒体の新聞紙とは違って妙な編集方針や運営方針をもってるなと思わせるのが、こうした運用だ。上のスクリーン・ショットを見てもわからないと思うが、この松井一郎氏の署名記事は、『週刊フジ』のサイトに掲載された文章を転載したものだ。そして、そもそも『週刊フジ』のサイトに掲載された文書ですら、『zakzakフジ』というネット・メディアに掲載された文書であって、要するに何か内容で不祥事(差別、名誉毀損など)が起きたときにトカゲの尻尾となるようなリソースなのである。ヤクザや上場企業でもよくある、「下の者(若い者、無知な者、素人、頑迷な老人などなど)がご迷惑をかけました」的な何の責任感もないロボット・トークを発話して、あとは検挙されるか、積*ハウスや財務省のように自殺させるか、あるいは具体的に大阪湾に沈めたりするかという違いはあるものの、社会的に抹殺することに変わりはない。

もちろん、似たようなことは左翼でもやる。右翼が無知無教養の集団であることは、われわれのような保守の人間には昔から自明の事実だが、僕は高校時代に左翼でもあった経緯があるので、幾つかの社会運動とやらをやっている集団も眺めたことがあり、『赤旗』はこういうことはやらないにしても、他のリベラルを名乗っている実質的には左翼のオンライン・メディアが、他のどうでもよい個人のブログから威勢の良い文書を転載しつつ「市井の人々の意見を取り上げる」だの市民の意見を代弁するだのと善行であるかのようにプロモーションすることもある。

こうしたデタラメは、もちろん歴史を正確にご存じの方なら周知のことだと思うが、実はマスコミというものは戦前から似たようなことをしてきている。自分たちが本当に言いたいことを些末な個人に代弁させて、それを取り上げて「出来事扱い」にするというわけだ。そうして、それが世間で普及しているかのようにわざと驚いてみせたり、由々しきことだと悩んで見せるというポーズをとることで、世論を適当にミスリードして喜ぶという厨二病の全能感が、こういう報道関係者やジャーナリストには大昔からある。自分たちの筆先一つで世論を操作できるという錯覚(そして、残念ながら十分に影響が発揮されてしまう錯覚)ゆえだ。こういう愚劣な連中の仕事を、ひとまずは情報源として利用しつつも、原則としては安易に信用しない態度が必要だ。そのためには、彼らがいとも簡単に口にする「国民」とか「民衆」とか「日本」とか「国土」とか「平等」とか「正義」といった、いわゆるパワー・ワードが使われる局面を見極めて、可能な限りで相対化する知性を育成しなくてはいけない。

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