Scribble at 2023-04-23 21:42:24 Last modified: 2023-04-24 15:31:52

添付画像

上の写真は Gold Dollar 66 の刃先を髭剃りの運行方向(刃線と垂直の向き)に #320 という粗い番手のサンド・ペーパーで研いで均してから、次に #1,500 という番手のサンド・ペーパーで刃線と平行に研いだ結果の様子だ。写真で暗く映っている箇所が、#320 で研いでから #1,500 で垂直に研いだときに、#1,500 のサンド・ペーパーが当たって実際に削れた箇所である。刃先側は、もちろんサンド・ペーパーが触れた箇所よりも刃角が大きいために、サンド・ペーパーが当たっておらず削れていない。そして内側はコンケーブのせいでサンド・ペーパーが当たらないため、削れていない。こういうわけで、残った箇所だけにサンド・ペーパーが当たって、上記のように刃先でもなんでもない中間部分だけが削れてしまうわけである。

本来なら刃先をいたずらに削るべきではないが、安い剃刀だからこそできる実験だ。そして、この結果から明らかなように、刀背と刃先を接着させてゴシゴシと研いだところで、刃先の先端部(切れ刃とか小刃と呼ばれる、実際に髭を剃っている箇所)は全く研げていないのである。いや、時間をかけたら先端部まで徐々に削れてゆき、やがては角度が均一になって研げるかもしれないが、それはもはや剃刀の刃ではない。このように、どう見ても否定しようがない様子から言って、砥面に剃刀を密着させるという研ぎ方は、切れ刃のメンテナンスと何の関係もない大道芸にすぎない

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