Scribble at 2023-01-04 13:45:21 Last modified: unmodified
昨年に Alexa はひっそりと終了していた。というか、Amazon に買収されていたことも知らなかったな。そういや、ウェブサイトのランキングというものも意味があった時代はあったし、いまでも全く意味がなくなったわけではないが、しょせんはそれが何なのかということだ。
このまえ公開した、サロンに学ぶ企業サイトの制作や運用という論説でも繰り返して強調した話だが、「アクセス数」なんてものはウェブサイトの効果を測るまともな指標にはなりえないし、もちろん KPI とも殆ど関係がない。有名企業のサイトは最初からアクセスが多いし、黙っていてもアクセスは増える。それがブランドというものだからだ。そして、ブランドがない企業、しかも単に既製品を販売してるだけの小売店とか、世界規模で何か特筆するような技能があるわけでもない美容室とか町工場が、オンラインで企業サイトを公開したていどで事業にとってインパクトのある業績アップなんて見込めるわけがない。コーポレート・サイトとは、しょせんそういうものであると理解して運営するのが正しい。
よって、サイトのアクセス・ランキングなんてものをあれこれと調べて、やれ SONY のサイトは月間のアクセスがいくらだとか、そんなことを喋ったところで大半の企業には何の参考にもならない。凡人が大学教員の真似をしても教授になれないどころか修士論文すら書けないのと同じなのである。たしかに、「身の程を知れ」という言葉は人を諦めさせるニュアンスがあるフレーズではあるけれど、もう少し丁寧に理解してみてもらいたい。自分の能力や成果を正確に評価して不足した点を補いつつ、堅実に業績を伸ばしていくという意味に理解すれば、「身の程を知る」とは、通俗的ではあっても哲学と同じことなのである。