Scribble at 2023-06-26 07:57:54 Last modified: 2023-06-27 13:39:48

添付画像

Silent Twins Official Site | Coming Soon | Focus Features

先日、ジュンク堂のノンフィクションという棚で見かけた『沈黙の闘い~もの言わぬ双子の少女の物語【増補決定版】』という本に興味を持って手に入れた。いま少しずつ読んでいるところだが、オンラインで関連する情報を検索すると、意外なことに英語版の Wikipedia でも記述が非常に薄いと分かって残念だ。もう少し別のリソースを当たってみよう。

それから、上でリンクしたように、2022年に原作の著書を元に映画が公開されたらしい。タイトルに "Coming Soon" などと掲載されたままになっているあたりが、予算のなさを如実に表してる。また、実際に上記のサイトへアクセスしてみると、映画のトレーラー映像はあるものの、作品やストーリーとなった実話についての情報が殆どない。右上にあるハンバーガー・メニューは、制作会社のサイトと共通のグローバル・メニューであって、どこをクリックしてもぜんぜん関係のないページが出てくる。なお、IMDb や Rotten Tomatoes など、いくつかの映画のデータベース・サイトを見たが、映画としての評価はあまり高くないようだ。

この双子について書かれた日本語のページを調べてみると、あいかわらずウィキペディアや海外の情報サイトからのコピペや自動翻訳によるコタツ記事が検索結果を埋め尽くしており、書いてるおまえがこのような事案をどう思うのかという話が完全に欠落している。いわゆる「お得情報」として右から左へ興味本位にデータを垂れ流すことが、こういう無知無教養な連中の「集合知」や「ソーシャル」や「シェア」や「感動秘話」というものらしい。あらためて繰り返すが、われわれに言わせれば、馬鹿が何億ページを公開したり読んだりリツイートしようと、ゼロを無限に足し算しているか、掛け算しているにすぎない。いや、まだゼロの演算として語ることによって、数学的にはマイナスにならないだけ、僕の解釈は凡人や無能への善意や慈愛に満ち満ちているとすら言えよう。

もちろん、彼女たち双子について書かれた本を超えるような調査は非常に難しい。実際、著者であるマジョリー・ウォレスは双子の日記や、あるいは幼い頃に書きためた膨大な手書きのメモなどに触れており、双子と接触のあった両親や兄弟や学校教師や医師など、考えられる関係者の全てから話を聞いていて、他人が新しく何かを付け加えるとすれば、素人の意見か、もしくは診療してもいない医師やカウンセラーによる、精神医学においてはとりわけ、慎重だが役に立たない一般論くらいしかないであろう。よって、コタツ記事を書いている無学で愚かな連中に何ができようかと言えるのは事実だ。しかし、そこでは二つの選択肢がありえる。一つは、自分たちが事実にも触れていなければ精神医学の一般論すら知らない凡人であるなら、なおさら彼女らについて語ろうとするのは控えることである。そして、もう一つは、単に読書感想文や映画評を書くことだ。それからついでに NPR などのインタビュー記事を翻訳してもいいだろうが、コタツ記事しか書くことがない連中に翻訳などできようはずもない(翻訳で食えるならコタツ記事のライターなどやっていまい。翻訳も安い仕事となっているみたいだが、コタツ記事のライターよりはマシなはずである。とはいえ、英語の能力や翻訳する日本語の能力がなければ時間あたりの収入は落ちるわけだが)。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook