Scribble at 2025-06-17 17:48:55 Last modified: 2025-06-18 09:50:21
いまだに手元に置いて使っているリファレンスは、この2009年に出版された Python Essential Reference Fourth Edition (David M. Beazley, Developer's Library, Addision-Wesley, 2009) だ。Amazon.co.jp で注文したのが「2009年10月29日」だから、出版されたばかりの時期に購入していたことになる。著者であるデイヴィッド・ビーズリーのサイトで紹介されている記録によれば、初版は1999年というから前世紀である。第5版はないと言っているので、この第4版が最終の版となっているが、既に Python 3 を見越して書かれているので、Python 2.x 系統から Python 3.x 系統に引き継がれなかった仕様や機能は除外されていて、15年以上も前の本だからといって余計な情報を覚えすぎる心配をしなくていいのが助かる。なお、第何版から訳したのかは分からないが、いちおう日本語訳も桐原書店から出ていたらしい。
もちろん、現在はデータ・サイエンスや LLMs の流行に伴って良い入門書やリファレンスが揃ってきているから、この本をわざわざ古本で手に入れる必要はない。Amazon.co.jp だと、プレミア価格になっていて6万円前後になってしまっている。好事家やインターネット考古学者しか求めないような骨董品だろう。なお、僕は既に本書の表紙にラミネートのフィルムを貼っていて愛蔵しているし、続々と追加されたり変更された言語仕様を欄外に注記したり付箋を加えたりしていて、手放すつもりはまったくない。ほれ何というか、古文書を手にした老魔法使いみたいなもんだ。それでも中身は最新鋭の武器に負けていないというわけだ。なにせ、今年になって刊行された電子書籍(Mark Lutz の第6版)の内容すら反映しているわけなので、日本の大型書店に並んでいる Python の解説本に引けを取らない「最新版」の内容にしてあるつもりだ。
それから、2009年という時期に Python を仕事で使っていた人は少ないと思うが、ちょうどこの時期にガラケー用のサイトで動かすアプリケーションを開発していて、XML のパーサとして Python のライブラリが扱いやすいという話を聞いて使ってみようとしたのが Python を学ぶきっかけとなった。もちろん自分で「有能」と書いているのだから当然だが、数週間でひととおりコードを書けるようになって、いまから思えば危険な話ではあるが、すぐに仕事の開発言語として使ったという話は以前も書いたと思う。その仕事というのは、日本テレビ+電通の受託で構築した "synchro.tv" というサイトで、いまテレビで放映されているコマーシャルに使われているタイアップ曲や BGM を NTTDATA が運用していた楽曲データベースにアクセスして検索し、リアルタイムにサイトで表示するというものだ。このサイトを動かしていたのは、全て Python のコードである(ただし、デザイン・パターンとしては MVC を採用していて、View は PHP でクライアントにレスポンスしていた。NTTDATA から API 経由で受けたデータはストレージにファイル・ベースのデータベースとして保存し、アーカイブの情報はローカルからデータを読み出すという仕組みであった。僕はファイル・ベースのデータベースを採用することが多くて、「さよなら0系新幹線」のサイトでも、実はバックエンドのデータベースは DBMS ではなくファイル・ベースのデータベースであった)。この時期は電通本体もサイマル・ラジオなどの開発に乗り出していて、後に "Radiko" という名称で展開するようになるサービスを彼らが調査・考案していた時期に技術的な協力をしたこともある。何の実績もなしに「堂島の神」と言われていたなどとホラ話を書いているわけではないのだ。