Scribble at 2022-10-17 09:41:57 Last modified: unmodified

冒頭のコメントは否定的な評価をしていて、こういう knowledge management 用のツールというのは役に立つものなのかという話をしている。企業で Salesforce や Google Chat を使って連絡事項のやりとりや情報の共有をしている立場として言えば、テキストやファイルの配置をあれこれと工夫できるツールというのは、たぶん役に立つ。そもそも、これまで当サイトで書いてきたノートの取り方や勉強法についても言えることだが、たいていの人は熱心に勉強の仕方とかノートの作り方を考えたり学んだりはしないものだ。企業をはじめとする大多数の組織とは、そういう人々が集まるところなのであるから、何か ready-made な仕事の道具やプラットフォームがないと組織の統制が取れない。しょせん独自の情報管理なんてものは簡単にできることではない。それをやれるだけの見識や経験や技術がない限り、社長だろうと新卒だろうと、誰がやるのであれ二束三文のビジネス書を読んで適当に猿真似するだけのことなのだ。

それから、この最初のコメントで手書きのメモがいいと言っている人は、いかにもジャロン・ラニアーのようなテクノ・デトックスの信奉者みたいに見えるが、果たしてそういうやり方がシンプルで望ましいものなんだろうか。僕は『ほぼ日手帳』の愛用者だが、会社には持っていかないし、記入するのは自宅で書いて読めばいいような日記とか日誌の類でしかない。持ち運ぶのが面倒だし、スマートフォンの Google Keep に比べたら即座に鞄から取り出して内容を確認するわけにはいかないからだ。メモ帳は確かに携帯しているが、手帳は既に Google Keep や Microsoft To Do などのアプリケーションに置き換わっているし、これで生産性には何の問題も支障もない。