Scribble at 2017-09-23 00:19:17 Last modified: 2022-09-22 10:41:13
政治家が東大を出ていようとバカなのはよくあることだが(しょせん、東大やハーヴァードとは言っても学部卒にすぎないわけで)、ここで指摘されていることには同意しかねる。人権というものの中には、生まれながらにして誰もが持つとは限らない権利もある。生存権のような自然権として解することが望ましい(つまり、現状の法律や政治制度で人為的にしか認められないような)権利とは違って、勤労権のような権利は「働くにあたって保障されるべき権利」であって、国民として所定の義務や責任を果たしてこそ権利を認められるのだ。好きな職業に雇ってもらう権利などではない。したがって、ディーセント・ワークや団体交渉権を訴えるという条件を当てはめるときでも、それがどのていど許されるのかという尺度があり、「フルスペック」などという概念は意味不明である。「自然権」なんて概念自体が近代の政治的な駆け引きの中で生まれた〈言葉の彩〉にすぎない(しかし擬制としてそれを尊重することで制度や国制を維持することが望ましい)というリアリティも、せめて大人になったら身に着けた方がいい。