Scribble at 2023-11-04 16:29:16 Last modified: 2023-11-05 11:48:16

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The people who ruined the internet

Google 検索が「クソ」になったのは SEO のせいだという主旨の告発文みたいな記事が、The Verge という有名サイトに掲載された。もちろん、これに Google も SEO 業界も反論しているわけだが、原則から考えてみよう。

つまり、SEO あるいは SEO を前提に検索アルゴリズムを作っている Google のような事業が、ウェブ・コンテンツとユーザとを的確にマッチングさせる(あるいはユーザが最大限のファインダビリティを得る)ために必須なのか、それとも本来は検索エンジンや SEO なんて無い方がいいものなのかといことだ。もし検索エンジン、つまりディレクトリ検索とかキュレーションとかではなく検索サイトが不要であれば、Google とは存在自体が必要悪でしかないという話になるが、恐らくそうではないのだろう。ディレクトリ検索がウェブサイトの単位でしか検索できないという重大な限界をもつのに対して、コンテンツごとのインデックスを蓄積して、更にピン・ポイントでの検索ができる検索エンジンというサービスは、たぶん必要である。情報はウェブのコンテンツとしてあり、そして公開されていてアクセス可能なのであれば、それを必要とするかもしれない人が見つけてアクセスできるということは、ひとまず重大な問題があるとは思えない一つの価値であり、これは良いことであろう。

だが、SEO はどうだろうか。広告とかマーケティングや販促のように、われわれにとって欠かせない事業であろうか。どう考えてもそうではない。なぜなら、検索エンジンのアルゴリズムがクズみたいなサイトや無関係なサイトやインチキなサイトをふるい落としてくれさえすれば良いはずだからだ。

どちらかと言えば、そもそも Google のアルゴリズムが複雑で、或る意味では不合理だったり不当なものになっていった原因の一つは、まさに SEO によってクズみたいなコンテンツを無理やり検索の上位に掲載するテクニックが普及したからであって(もっと昔なら「アクセスアップ!」とか書いてた、営業崩れのゴロツキどもが書いてたような手練手管だ)、要するに SEO は本質的に検索エンジンのアルゴリズムを悪用するチンピラの仕事であろう。そういう自覚もなしに、やれ IT 業界だエンジニアだと、われわれと同列みたいに思ってること自体、広告業界のコンテンツ制作に携わるネット・ベンチャーの技術部長としてポジション・トークさせてもらえるなら、はっきり言って不愉快だね。

あと、うちにもよく営業のメールとかが来るけれど、口コミをわざと広げますとか、口コミサイトで高評価の投稿を代行します、みたいな、SEO 業界と同じく検索結果や CGM コンテンツの汚染を代行する会社なんてのもある。で、学生とかが思いつきで起業したようなそういう会社の連中って、「御社ならよくご承知のとおり・・・」みたいなことを書いてよこすわけ。つまり、電通が株主とか主要取引先の会社は、広告とか世論操作のインチキをやってると思い込んでるんだよな。それ、X とかで陰謀論を吐いてる連中のレベルだよ。もちろん、そういう仕事をしてる人が一部にいるのは知ってるけど、広告業界が基本的にそういうことで食ってるかのようなことを妄想するのはやめてもらいたい。いくら20代や30代の若造とはいえ、そういうバカが会社なんて経営するもんじゃないな。

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