Scribble at 2025-08-11 07:44:57 Last modified: 2025-08-11 10:05:09

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ローカル・マシンで Stable Diffusion のモデルを動かすのは、フロント・エンドを使えば非常に簡単であって、もちろんご承知のとおり、いまでは Web UI と Web UI からフォークされた派生アプリケーションだけでなくComfyUI も(いっときは Stability.AI の公式とまで言われたくらい)広く使われているようだ。ただし、ComfyUI は実際には「ワーク・フロー」と呼ばれる設定を議論したり解説したり、あるいは自分の使っている設定を公表している人が(特に日本では)殆どおらず、本当に利用者が言われるほど多いのかどうかは疑問がある。また、ComfyUI は設定項目が多いというだけの理由で「上級者向け」などと言われるが、現実には ComfyUI の動作原理と背景の機械学習を理解して設定項目を扱っている人は多くない。そういう背景知識があって使っている人々や研究目的で使っている人たちなら、そもそもフロント・エンドを使わない場合もあるからだ。

なお、Google Trends などで調べると ComfyUI の検索件数は圧倒的なのだが、「何と比べて圧倒的」なのかは自明とは言えない。その理由の一つは、Stable Diffusion のデファクト・スタンダードと言ってもよかったアプリケーションのネーミングにある。AUTOMATIC1111 氏が中心になってリリースされているフロント・エンドは、Stable Diffusion が初めてリリースされたときから使われていて、Forge, reForge, EasyForge などフォークされたフロント・エンドが軽量だの何のと言われてもシェアが大きく変わることがないくらいの、いわばデファクト・スタンダードの位置にあった。しかし、呼称が人によってバラバラであり、検索してもヒットしにくいという問題がある。なので、Google Trends などでは ComfyUI に比べて検索件数がどうしても少なくなってしまうのだ。GitHub のリポジトリでは、"Stable Diffusion web UI" という名称になっているが、Stable Diffusion のユーザが集まっている Wiki や画像投稿サイトなどでは "A1111" という名称もよく使われている。"Stable Diffusion web UI" だとフロント・エンドの一般名詞みたいに見えるし、そもそもフレーズとして長いからだ。しかし、ブログや AI 関連のメディアでは、逆に "A1111" という呼び方は殆ど見かけず、"Stable Diffusion WebUI" とか(なぜか "WebUI" という独自のスペルになってしまっている)、あるいは作者のハンドル・ネームそのままで "AUTOMATIC1111" と呼ばれたりすることもあって、はっきり言うと出鱈目な状況だ。

ということなのだが、扱いやすさや蓄積されているノウハウや情報が多いという理由で、いまでも最初に導入するフロント・エンドとしてお勧めできる。ただ、開発が実質的に止まってしまっているため、バグや不具合が残っている懸念はある。たとえば、ここで何度か書いているが、フロント・エンドの設定でタブに表示する項目を調整すると、メニューが反応しなくなって config.json をリセットするしかなくなるという問題は放置されたままだ。

また、Stable Diffusion web UI は Stable Diffusion 3 にまで対応する予定のようで、開発版というベータ版ではメニューもあるのだが、実際に "Atomix SD3" (https://civitai.com/models/624094/atomix-sd3) というベース・モデルを追加してみたところ、モデルの切り替えで Stable Diffusion web UI がクラッシュしてしまった。これ以降の SD 3.5 や FLUX.1 などには全く対応する予定がないらしく、そもそも現行バージョンのバグ修正すら手をいれるつもりがないように見えるため、実質的に開発は停止・終了したと判断したほうが良いのかもしれないが、しかし現在も初めて Stable Diffusion を利用する方には勧められる良いフロント・エンドだと思う。

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