Scribble at 2022-08-26 13:38:21 Last modified: 2022-08-28 08:34:15

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Email Protection

DuckDuckGo がメールの転送サービスを始めた。好きなアカウント("@duck.com" の前半部分)を転送先のメール・アドレスと一緒に登録すると、要するにメールのエイリアスが作れる。しかも alias@duck.com に送られたメールにトラッキングの仕組みが入っていれば、それを自動で削除してから本来の受信先に転送してくれる。つまりはマーケティングと称する個人情報泥棒に対抗する掃除サービスというわけである。

これを利用するには、ブラウザ用の拡張機能(アドオン)をブラウザにインストールする必要がある。どうやらインストールのインスタンスに一意の紐づけが設定されたアカウントが発行されるようだ(アカウントを登録すると、このページにも末尾に "sign out" のリンクが見える。このフロー自体は、もちろんアカウントを登録するときにオプト・インで許可している筈なので、英語が読めない人は安易に使わないようにしよう(そういうやつに限って後から「プライバシーを保護すると言っておいてオプト・インもしないのか」などと騒ぎ出す)。

さて、そういうわけで登録してみたのだが、tutanota.com からテストのメールを送信してもぜんぜん届かない。海外のサービスって、ほんとにメールの送信がちゃんとしてなくて、たとえば Facebook に登録しようとして確認メールが届かない(あるいは馬鹿みたいに遅延して届く)なんてことは、何度もあった。おかげで、遅延した確認メールも含めて Facebook のアカウントを複数持てたわけだが、そんなことはどうでもよろしい。ともかくメールは来ない。なので、いまのところはお勧めしない。こんなものは、イデオロギーとして正しかろうとサービスとしてまともに使えなければクズだからだ。

[追記] いま GMail からも送信してみたが、やはりメールはオリジナルのアカウントに届かない。いや、それどころか forward するべき先のオリジナルのメール・アカウントから自分自身宛に送信してすら届いていない。ということで、仮に登録が集中していてサーバの処理がおいついておらず、メールのトラッキングを削除する処理が遅れているとしても、これが10分とか1時間後に届くというなら、このサービスは〈機能要件としては仕様を満たしていても、非機能要件としてはリリースに値しないサービス〉という意味で、ぶっ壊れてると思う。

[追記] 調べてみると Mozilla もこういう受信メールの転送サービスをやっているようだ。

https://relay.firefox.com/premium/

ていうかさ、元のメール・アカウントを運用してるレンタル・サーバとかでエイリアスを作成するオプションがサポートされてたら、それを使う方がいいと思うね。とにかく、こういうフォワードを繰り返して他人の中間サービスに依存するような仕組みは、あんまりいいとは思わないんだよね。

ともかく、この件では DuckDuckGo に対してサービス運営や構築技術のパフォーマンスを疑わせるに足りる理由はできたし、Hacker News でも話題にはなってるけど、或る種の〈Google 化への第一歩〉と言えなくもない。なんにしても distrusted な事案であることに違いはない。

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