Scribble at 2021-03-16 16:32:27 Last modified: 2021-03-16 16:42:30

イギリス女性史研究会は、イギリス女性史と関わる諸分野の研究を発展させ、その成果の普及、ならびに会員相互の学術交流を図ることを目的とし活動しています。

イギリス女性史研究会

特にイギリスの女性史について交流する学会のようだけど、昨今のイギリス王室について話題になってた人種差別の一件については、特に何か声明を出してるわけでもない。もちろん「女性史」と名がつくからといって差別や偏見の研究だけしてるわけでもないだろうし、政治的なコミットを責務だと思ってなくても構わないんだけど、僕には地続きのように思えるんだよね。女性差別にしろ人種差別にしろ、あるいは階級差別にしろ。

もちろん、アジアの辺境地帯にある国家でイギリス人の大半が読みもしなければ興味すら無いであろう言語を使って声明なんぞ出したところで、直接の実効性はないのだろう。いや、こういう学会に入るくらいのプロパーであれば、全員が英語で声明文を書けるに決まっているわけだが、それでもイギリス人で読む人はいまい。それどころか、Twitter でたまたま誰か(今回は法政大学出版局のアカウント)が紹介してくれない限り、その存在すら分からないようなところで声明を出したところで、日本人すら大半が気づかないのだから、自己満足の域は出まい。しかし、それをやって残しておき、誰かが何年か後に見つけて読むということくらい期待してもいいのではないかと思う。通俗本を売りさばいているクズどもの方が、確かにプレゼンスは高いし、金も儲かるだろう。でも、そんなことは社会科学的な影響という点では同じようにクズみたいなものであって、いっときの噴き上がりや空っぽな熱意(の終息)に回収されて終わるだけの安っぽい花火でしかないのだ。自分たちの本来の業績なりメッセージを真面目に受け取る人間が、何年か後に一人でもいた方がマシではないだろうか。それとも、即座に〈シェア〉することで、その時点で受容した人たちが続々と新しい業績を積み上げていくといった、シンギュラリティ教みたいに加速度的な発展でも希望したり実行しようといるのだろうか。そんなことはあるまいし、それに当人たちがそんなことを意図しているとは思えない。

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