Scribble at 2023-10-13 10:00:37 Last modified: 2023-10-13 15:27:31
統計学のテキストが無償で公開されている。電子書籍の出版サイトで、コスト(これの設定は購入する側が任意で変更できる)を「$0」に設定すれば、あとはメール・アドレスを登録するだけで PDF をダウンロードできる(メール・アドレスは PDF のダウンロードには関係ない)。500ページを超える内容で、日本の、英語どころか日本語ですら小学生並の読解力と読書能力しかない人々なら、即座に「冗長」だの「今北産業」だのと不平を言うのかもしれないが、海外ではこの程度の分量は常識の範囲だ。日本で制作・販売されている、エロ本並みに薄い教科書に慣れていて、僅かな文言による解説での思い込みが勉強だと錯覚している人々は、社会人として少しは恥を知ると良い。僕は「速読」はオカルトだと思っているが、新書1冊を2時間ていどで読了する処理能力というか思考のスピードすらなく(そのていどのスピードがあれば500ページの単行本を1週間もあれば読了できる)、また集中できないだの2時間以上も本を読んでいられないだのと文句を言うような人は、或る種の学習障害だと思う。
それを gifted だの talent だのと言うのは好き好きだが、そんなものを基準にして教科書や出版物を語られては困る。ものごとの尺度というものは、それが公の商業製品であればなおさら、僕らのような凡人を基準にしなくてはいけない。一日に30分しか本を読めないか、1分に1文字しか読めないが、破壊的に高度な数学の能力をもつ人なら凡人向けに出版されている500ページの教科書を「長すぎる」と感じてもいいが、それは感じるだけにしておけばいいのであって、公に不満として発言するべきではない。そんな発言をしたところで、「天才用教科書」を出版する会社なんてないからだ。いやそもそも、天才なら教科書なんていらないはずだし。