Scribble at 2024-05-04 08:24:20 Last modified: 2024-05-05 07:27:43
COVID-19 全盛期の頃にも、全国の診療医に細かい記録を求めていて、それの入力だけで医者が疲弊してしまうという話題が報道されていたのを覚えている方もいるだろう。情報なりデータは、もちろん医療を改善したり向上させるためにも必要だし、その実務を医療従事者が担ったという証明でもある(こういう証明がないと公費から医療機関にお金を出せないという事情もある)。しかし、ただでさえ診療や治療で多くの体力や時間を使っている医師に過剰な事務作業を要求するのは、やはり何とか対策しないといけないことでもある。よって、記事にあるとおり、医療情報というものは高度なプライバシー情報でもあるし、それから間違いが許されない正確さを要求される情報でもあるから、AI に任せてよいかどうか、あるいはオンライン・サービス業者に管理や加工を任せてよいかどうかという、もちろん僕らのようなプライバシーマークの認定事業者ではたらく chief privacy officer であれば当然の懸念はあるにしても、合理的な範囲で「安全な活用方法」を検討するという方針そのものは動かないであろう。
僕らが情報セキュリティや個人情報管理のプロとしていつも気にしているのは、「いのちを救う」とかそういった建前を振りかざして他人のプライバシー情報を学生レベルの未熟なシステムとやらで軽率に集めたり扱おうとするなというだけの話であり、簡単に言えば僕らは活用そのものに反対しているわけではなく、活用するに値しない無能を市場から叩き出すために法令や規格に訴えているのだ。