Scribble at 2023-08-28 15:05:44 Last modified: unmodified

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World Wide Web Internet and Web Information Systems

Springe Nature と言えば学術出版では Elsevier などと並ぶ大手だが、そこでホストされている雑誌には意外と知らないものが多く、そして中には他人が参照しているのと一度も見かけたことがない雑誌というのも多々ある。その典型が上記の World Wide Web という学術誌らしきものだ。アーカイブを紐解くと、驚くことに1年間で3,000ページに達するほどの論文が投稿されている。そして、僕が読むウェブやシステム開発やセキュリティに関する論文や著作物で引用している事例を殆ど見たことがないにもかかわらず、IF(インパクト・ファクターという被引用数の平均値)が3.7もある。これはどう考えてもおかしい。

具体的にバック・ナンバーを確かめてみると、著者の99%は中国人である。もちろん、中国人に有能な人が多いのは歴史的な事実でもあるし、おかしな偏見はないのだが、特に中国の研究コミュニティが発行している雑誌でもないのに、これはちょっと変だ。そして、試しに適当なオープン・アクセスの論文を開いて References を確認してみると、予想通りだが、この雑誌に掲載された論文を数多く引用しており、この3.7というインパクト・ファクターは、殆ど "masturbation IF" と言ってもいいような、内輪だけで稼いだ数字だと予想できる。シュプリンガーが、こんなものをホストしているとは呆れるが、Elsevier でも胡散臭い雑誌をホストしているし、スクリーニングはかなり雑になってきているように思う。大手から発行されている雑誌の論文でも、信用できなくなってきている。

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