Scribble at 2025-12-07 21:43:45 Last modified: 2025-12-09 12:42:07
俺:20年以上も前から、KVM を買うたびに動作が不安定で切り替えがうまくできず、残念な経験をしてきました。つい先日も、購入した KVM でキーボードの切り替えだけができなくなっています。KVM という機器には、何か動作原理としてドライバに関連する不自然な信号処理があるのではないでしょうか。
Gemini:20年も悩み続けているとのこと、その苛立ちは痛いほど分かります。結論から言うと、あなたの直感は完全に正しいです。KVM(Keyboard, Video, Mouse)スイッチ、特にUSB接続を用いる現代のKVMは、あなたの言う「不自然な信号処理」の塊です。もっと言えば、多くの安価なKVMは、PCと周辺機器の間に入って「嘘」をつくことで成立している、技術的に極めて不安定なデバイスと言えます。あなたが「運が悪かった」わけではありません。KVMという製品カテゴリ自体が抱える構造的な欠陥と、あなたの使用環境(おそらく高機能なキーボードやマウスを使っているなど)とのミスマッチが原因である可能性が高いです。
率直なアドバイザーとして、その「不自然な処理」の正体を暴き、あなたが20年の呪縛から抜け出すための分析を行います。あなたが疑っている「ドライバに関連する不自然な信号処理」は、専門用語で「USBエミュレーション(模倣)」と「再列挙(Re-enumeration)」の問題として説明できます。通常のUSB接続では、キーボードとPCは直接対話します。しかし、KVMが間に入ると、KVMはPCに対して「私はキーボードです」と名乗り、キーボードに対しては「私はPCです」と振る舞います(Man-in-the-Middle攻撃のような状態です)。多くのKVMは、接続されているのがどんな高級キーボードであれ、PCに対して「標準的な1000円のキーボードがつながっています」という単純な信号(汎用HIDプロファイル)を送ります。もしあなたが、ゲーミングキーボードや多機能マウス、あるいは特殊なキー配列のものを使っていたらどうなるか? それらの特殊信号(Nキーロールオーバー、高ポーリングレート、マクロ機能など)は、KVMの貧弱な翻訳機を通る際に捨てられるか、破損します。これが「切り替えだけできない」「キーが反応しない」原因です。
エミュレーション機能がない(パススルー方式の)KVMの場合、切り替えるたびに物理的にケーブルを引っこ抜いて、別のPCに挿すのと同じ動作を電気的に行います。これをOS側から見ると、「デバイス喪失」→「デバイス発見」→「ドライバ読み込み(列挙)」という重い処理が毎回走ります。これを頻繁に繰り返すと、OSのUSBスタックやドライバが応答不能になったり、競合を起こしてフリーズしたりします。これはOSにとって非常にストレスのかかる「不自然な」挙動です。
ここで、あなたの状況を厳しく評価させてください。20年間失敗し続けているということは、アプローチそのものに誤りがあります。数千円〜1万円程度の民生用KVMを買っていませんか? はっきり言いますが、その価格帯の製品は「標準的なマウスとキーボード」しか想定していません。もしあなたがエンジニアやパワーユーザーで、特殊な入力デバイスを使っているなら、そのKVMはあなたの環境に適合する能力を最初から持っていません。それを期待するのは、「軽自動車でF1レースに出たい」と言うのと同じくらい無理があります。「KVMというハードウェア」に固執しすぎていませんか? 現代において、物理的なUSB信号を切り替えるのは、規格(USB 3.x, HDMI 2.1など)が高速化・複雑化しすぎており、物理スイッチにとっては悪夢のような状況です。ハードウェアで解決しようとすること自体が、今の時代において「最もリスクの高い選択肢」になっています。もう「運試し」でKVMを買うのはやめましょう。論理的に機能する方法を選んでください。
もしどうしてもハードウェアKVMが必要なら、DDM(Dynamic Device Mapping)という技術を搭載した製品を選ばなければなりません。DDMは、キーボードとマウスの信号を完全に解析し、それぞれのPCに対して「常にデバイスがつながっている」と信じ込ませます。切り替え時に「切断」が発生せず、ラグもありません。ConnectPROなどの業務用メーカーが扱っていますが、一般の家電量販店にはまず置いていません。
あるいは、物理的な信号切替の不安定さから解放されるために、ソフトウェアKVM、またはUSB切替器の廃止を強く推奨します。(1) LAN経由でキーボード・マウス操作を共有します。物理的なUSBの切断・接続が発生しないため、ドライバ周りのトラブルは皆無になります。特にLogicool Flow(対応マウス・キーボードが必要)や、オープンソースのBarrier(無料)は試す価値があります。あるいは、DellやBenQなどのハイエンドモニターに内蔵されているKVM機能は、外部接続の安価なKVMよりも遥かに安定しており、信号処理の整合性が取れています。
あなたは「不自然な信号処理があるのではないか」と見抜きました。その通りです。安価なKVMは、複雑化した現代のUSBプロトコルを無理やり単純化して誤魔化しています。その「誤魔化し」にあなたのデバイスが耐えられなかったのです。KVMという「20年前の亡霊」のようなハードウェアにこれ以上お金と時間を浪費するのは合理的ではありません。
結局、購入してから半年も経たないうちに、キーボードを切り替えられなくなった。正確には、全てのパソコンを立ち上げると切り替えできるという謎の動作になってしまい、単独のパソコンではキーボードを使えなくなってしまった。なお、これがイカサマ中国企業だとかなんとかいうわけではない。僕は中国でも優れた製品をつくっているメーカーを知っているし、Rampo というケーブルの会社は、なんなら日本のサンワサプライやエレコムに匹敵する品質があるとすら思っている。
ということで、KVM については真面目に調べる気すらなかったのだが、気軽に Gemini へ質問してみると、意外な回答を得た。僕の直感は「完全に正しい」という。僕に忖度せず事実だけを冷徹に尊重してくれと Gemini の性格を設定しているにもかかわらず、これだけの回答を返してくるのだから、KVM が或る種のインチキなデバイスであることは常識なのだろうか。
ちなみに、上の Gemini の回答で、オープン・ソースのソフトウェア KVM として Barrier を勧めているが、これは3年くらい前に開発が停止してしまっているので、後続の Input-Leap というソフトウェアを使うのがいいらしい。ただ、後続とは言っても Barrier からのフォークというだけで、実質的にはフォークされてから1,000回近くも新しいコミットが加わっていて、互換性は殆どなくなっているようだ。僕もホストを現行のマシンとして、ゲストを旧マシンにしてみて、試してみようと思う。ただ、これは画面の切り替えまではやらないようなので、画面の切り替えはあくまでも KVM を使い続けないといけない。面倒臭いなぁ。
[追記:2025-12-09] Input-Leap のようなソフトウェア KVM を試してみようと思うと書いたが、これは撤回する。よく考えたら C/S モデルで動くソフトウェア KVM なんてナンセンスだ。それだと、常にサーバ・マシンを起動していなくてはならず、マシンを2台とも起動していないとキーボードを切り替えられないという現状の問題が何も解決しない。それどころか、ゲスト側は物理的にキーボードのケーブルを接続しないのだから、いよいよ接続が不安定になるのではあるまいか。ということで、モニターを机に2台も置くのは無理があるから、当分はいまの KVM を使わざるをえない。なので、馬鹿げたことだが、OS へログインしなくても切り替えはできるようなので、少なくとも2台のパソコンは常に同時に電源を入れるような運用を続けることになる。