Scribble at 2023-10-21 12:35:01 Last modified: 2023-10-21 16:27:06

さきほど、自宅から歩いて数分ほどの近くにある歯科医院へ通ってきた。もう通い始めて20年くらいになる。虫歯の治療だとか差し歯の製作だとか、これまでにも色々と助けてもらってきて、ここのところようやく定期的な検診で歯垢の掃除をしてもらうていどしか足を運ぶ機会がなくなった。

治療で最も恐れられているのは、もちろん神経や歯を抜くときの処置だろう。しかし、幸いなことに痛い思いをしたのは数回で済んだ(この「数回」が具体的に何回なのかは想像に任せよう)。なんだかんだ言っても、痛いからといって行かないわけにはいかないのだから、こればっかりはしょうがない。放置したら更に酷いことになるし、先日のアウン・サン・スー・チー氏の容態に関する報道でも話題となったように、高齢で歯周病になると命に関わることもあるくらい、歯や歯茎のメンテナンスは重要だ。僕も、恥ずかしながら30歳を越えてから思い知って、毎日の歯磨きには注意している。

それはそうと、神経の処置といった誰でも分かることはともかく、実はそれ以外にも歯の治療中に怖いというか気にしていることがある。それは、自分の舌だ。なぜなら、自分で自分の舌を正確に制御できていない気がするからで、治療中に舌でドリルを舐めようとしたりドリルを退けようして舌を伸ばしてしまわないか、自分でも怖いときがある。もちろん、たいていは隣で介助している歯科助士のおねーさんが舌をフックみたいなもので押さえつけてくれているときもあるのだが、それをしないときもあるし、またフックで押さえている位置が良いのか悪いのかも分からないので、何か不安を感じることもある。

こういう経験をすると、やはり自分の意志だけでは自分の体を正確にコントロールできていない場合があると気づく。そして、再び考え直すと当たり前のことなのだと納得できる。たとえば、いくら50代も半ばとなって自分が癌にならないかどうか不安があると言っても、自分の内臓とか組織に異常が起きていないかどうか、個々の組織や細胞ごとに痛みとか痒みのような感覚として一斉に感じるような身体になったら、たぶん脳の処理が耐えられないだろう。僕らが「自覚」という仕組みでフィードバックの中で制御できる範囲なんて、そもそも生体の仕組みとして限られているのだ。

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