Scribble at 2022-05-19 14:30:28 Last modified: 2022-05-20 16:05:42

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World Edition - The Atlantic

現在、いわゆるメディアとして僕が購読しているのは Aeon と The New York Times だけである。国内はもともと色々なサイトで簡単に報道を観ているし、そもそも NHK の料金を払っているのだからニューズ番組は観るため、さほど時事の話題に困ったりしない。しかし、英語のコンテンツとなると Hacker News のようなソーシャル・ブックマーク・サービスばかりでは偏るだろうし、そもそも大手のメディアにリンクしていても大多数のページは paywall で読めない。海外ニューズ・メディアの podcast も無料で配信されてはいるが、ヒアリングは難しいし、実は動画や音声は好きな話題を検索(シーク)できないので、時間の無駄が大きすぎる。なので、一つくらいは購読しておこうと思ったわけである。確かに The Japan Times という選択肢もあるが、いきなり月額で1,500円は出し辛い。NYT ならトライアルの1年間が $2/4 weeks という太っ腹である。その後は $8/4 weeks となっていて、円に換算すると840円が Google Pay に連携させた au 決済として電話料金と一緒に引き落としされるようになっている(Aeon の $5/30 days は PayPal に連携させた銀行口座からの引き落とし)。

もともと、僕は The Atlantic の電子版を購読したかったのだが、The Atlantic は月払いができないため、契約するといっぺんに $59.99(現在の為替レートだと8,000円弱)もかかる。そして、できれば印刷紙面でも読みたいのだけれど、そうするとさらに $69.99(9,000円ちょっと)となってしまう。ちなみに、国内で海外の雑誌を購読する手続きを代行しているサービスは幾つかあるものの、どれも非常に割高だ。購読したいメディアのサイトで print edition を自分で契約した方が絶対に安い。そもそも、もし手続きが〈英語として〉わからないのであれば、英語の雑誌とか新聞を読む資格はないだろう。あるいは、オンラインで手続きするためのクレジット・カードやネット・バンキングや PayPal や他の決済方法を利用する手段が何もないということであれば、国内で提供されている購読の代行サービスだって同じように利用できないはずだ。

ということで、NYT には失礼な話だが、いまのところ The Atlantic の代わりに購読しているという状況である。ちなみに池田信夫君が Twitter などで書いていた話やネトウヨのツイートなどから、NYT を「反日新聞」だと騒ぐ人もいるわけだが、それは少し違うと思っている。NYT の立場がリベラルだという理由で、日本で言う「左翼」に相当すると思うのは仕方ない。というか、国内外を問わず政治的なスタンスが分からないか「ない」メディアなんて一つもないだろう。もし読者に分からないほど不明確であれば、それは表現が稚拙だという証拠かもしれないし、ぜんぜんなければ逆に組織としてのガバナンスを問われてもいいくらいである。よって、NYT がリベラルであることや、FOX が保守的であることをもって批判しても無意味であろう。問題は、取材対象や取材方法の選択だとか、記事や写真や infographics の表現方法において、自分たちのイデオロギーに反しないように成果を捏造したり都合よく再調整するような、ジャーナリストとしてのイカサマをやっているかどうかだろう。

そういう点で、NYT が「日本嫌い」などと呼ばれている理由を幾つか見てみると、たいていは錯覚か思い込みだと分かる。たとえば、中国語版があるのに日本語版はないとか。でも、母国語とする話者の数で言えば、英語のメディアだから人数にかかわりなく英語はともかくとして、中国語やスペイン語は問題ない。寧ろ、日本語ネイティブで NYT を購読している人がどれほどいて、これからどれほど見込めるのかということだ。日本の事情をよく知っている人ならなおさら、日本国内には世界規模でもトップ・クラスの購読者数を誇る全国紙が読売、朝日、毎日、産経、日経など幾つもあることを知っているわけで、簡単に英字新聞なんて購読しない、よって NYT で日本語版をサポートする必要はないと考えるのは当然だろう。また、日本に厳しい記事を書く人がいるという点についても、従軍慰安婦だとか在日朝鮮人差別といった話題については国内の毎日新聞や朝日新聞と同じ程度の内容であり、同じ話題ついて書かれていればイギリスの The Guardian だろうとフランスの Libération だろうとドイツの SZ だろうと似たような論調になる筈だ。

寧ろ、僕が海外のメディアに感じている「偏向」があるとすれば、それはやはり話題の取り上げ方というよりも、そもそも何を記事にするかという話題の選択だろうと思う。いいかげんに宮崎アニメとか、駄菓子屋とか、AV 女優とか、要するに国内で社会学者がさんざんネタにしてきたサブカルの話ばかりに執着する無能を取材スタッフとして派遣するのはやめてもらいたい。

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