2021年09月15日に初出の投稿

Last modified: 2021-09-17

パナソニックは2021年度中に、JR大阪駅北側の大型複合施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)に入るショールーム「パナソニックセンター大阪」を閉館する方針を固めた。最新家電の体験などができる施設だが、コロナ禍で休業が続いており、今後も期待した集客が見込めないと判断した模様だ。

【独自】パナソニック、「グランフロント大阪」の大規模ショールーム閉館へ…集客見込めず

JR 大阪駅の北にあるグランフロント大阪という複合商業施設は、北館と南館に分かれていて、どちらのエリアにも企業がショウ・ルームやテーマ施設を開設している。パナソニックは、南館に「パナソニックセンター大阪 Re-Life Floor」というショウ・ルームを開いていて、南館の1階からグランフロントへ入ると広い敷地を使っているので、すぐに分かる。あれは地上からグランフロントへ入るときは、殆ど「玄関先」に相当する場所なので、もちろんそのせいでテナント料も高いのだろうけど、ここがごっそり抜けてしまうと印象は悪くなる。この広さを伊達や酔狂で借りる余裕のある企業が大阪に残っているかどうかを考えると、なかなか次の借り手を見つけるのは難しい。かといって、フロアを区画して切り分けた敷地を貸し出すとしても、我先にと借り手が集まるかどうかは不明だ。

いや、新型コロナウイルス感染症に付随して多くの人々の行動が変化する前から、そもそもグランフロントに入っているショウ・ルームやテーマ施設やアンテナ・ショップの類は、さほど人が詰めかけてはいない。北館には積水ハウスの「住ムフムラボ」とかコカ・コーラウエストの「ハピネスラボ」とかが入っているけれど、ハピネスラボは既に閉鎖されているし、僕はグランフロントにオープン当初から足を向けているが(主に紀伊國屋書店と伊東屋が目的だが、仕事の都合でグランフロントに入っている施設のサイトを運用するサーバやドメインを管理している事情で、たまに様子を見に行っていた)、それらの施設を訪れている人の数は、ほぼ時間帯や曜日の区別なく常に片手の指を使って数えても余るほどである。要するに、コロナ禍なんて関係なく有効性に疑問のある施設ばかりだったのだ。そして、どこの施設でも似たような状況だったという事実からすると、その有効性の無さ(集客力のなさ)は、全ての施設が宣伝不足だったか、もしくは立地に問題があるかのどちらかしか理由がない。そして、僕が見るところ理由として妥当なのは後者だと思う。グランフロントは、大阪駅の前にある商業施設であるにも関わらず、敢えて言うが「不便」である。そして、グランフロントが常識的な地理の感覚では JR 大阪駅の前という絶好の場所にありながら「不便」に感じられる理由は、僕が思うには一つだけでなく幾つかある。

まず第一に、地下鉄や各私鉄の駅を降りてからたどり着くまでの経路が長くて複雑である(特に地下街は一部の人から「迷宮」と呼ばれている「Whity うめだ」を通過する必要がある)。そして JR 大阪駅から行く場合でも、グランフロントへ通じている連絡通路がある北側の改札へ向かうための南北連絡橋へ上がるエスカレータが1箇所しかないため、極端に混雑していて時間がかかる。車で行くなら付近に駐車できる保証もないため、それなりに離れた場所でパーキングして歩く必要があるだろう。ただし、これだけなら、前のめりで買い物したがっている人には大して負担ではないかもしれない。

しかしグランフロントを不便に感じる理由は他にもあり、大阪駅の周辺で働く一部の者にとって気楽に立ち寄る場所になりえないという問題がある。これはグランフロントだけの問題ではないのだが、僕らのように堂島や曽根崎新地といった JR 大阪駅の南側にある地区で働いている者にとって、〈大阪駅をまたぐ〉のは極めて面倒臭いことなのである。これは Whity うめだのような「迷宮」を通るか、あるいは初めての人には全く分からないような地上の複雑な経路を通るしかないという、JR 大阪駅の構造的な問題が原因だ。地下街ばかりが話題になるけれど、実は JR 大阪駅をはさんで南側の地区から北側の地区へ移動する地上の経路も面倒臭くて全ての経路が混んでいる。それゆえ、前にも紹介した逸話だが、かつての電通ビルから茶屋町アプローズタワーに入居するクライアントへ訪問するのに、たかだか 2km ほどの経路をタクシーで移動するのが最も簡単だという話になる(車だから歩くよりも早く着くのは自明だが)。とにかく、堂島の人間から見て茶屋町など大阪駅の北側は、別に進んで行きたい場所でもなんでもない、単純に面倒臭いところなのである。僕にしても、伊東屋がなければグランフロントへわざわざ足を運ぶ強い理由はない。

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