Scribble at 2022-10-17 13:28:34 Last modified: 2022-10-17 13:30:41

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アメリカの報道番組を観ていて、それが FOX であろうと CNN であろうとイデオロギーに関係なく安心させられるのは、報道番組として必要な(十分かどうかは知らない)内容をもっていることだ。アンカー・マンだろうとアンカー・ウーマンだろうと、あるいはアナウンサーであろうと、彼らは自分たちが事前に用意した原稿を正確に発音して伝えることに職務として精を出している。本来のアナウンサーやキャスターと呼ばれる人々の仕事はこれである。日本の自称報道番組みたいに、大学クイーン出身者などを選抜した2流のアイドルだとか、あるいは外国語を話せるというていどの「帰国子女」と呼ばれる実質的にはタレントみたいなものをオヤジの隣に並べてネトウヨ発言や左翼発言を繰り返させるのは、報道とは言えない。社説とすら言えないレベルの手前勝手な感想や意見を、アナウンサーに放言させているだけのことだ。ジャーナリズムという姿勢の徹底には、日米でいまだに雲泥の差があるし、これはもはや報道番組やテレビ放送に従事してきた歴史の長さという違いでは説明できない。日本のテレビ局は NHK からテレビ大阪に至るまで、本質的に何か民族や国家規模でおかしいのである。そして、これを習慣だの文化だのとイージーな文化人類学や社会学の御託を並べる手合いにも猛省を促したい。

これは僕が小学生の頃から親の前でたびたび言ってきたことだが、ニューズ番組で、どこの集落で祭りをやってるとか、あるいはしょーもないイベントを開催してるとか博物館で何を催してるとか、そんなことを伝える暇があったら他に取材したり報道するべきことがあるはずだ。それから、日本の報道番組では気象について報じるときに、必ず風物の話や季節に関わるバカげた蘊蓄を語る傾向にあり、これも日本の報道機関のくだらない風習だ。それを視聴者が望んでおり、「わかりやすい」だの「親しみ」だのと勝手な視聴者のペルソナをお化けのように作り上げて、そいつらがメディアに要求しているかのような強迫観念を自分たちで捏造し、馬鹿げた番組をつくる言い訳にしている。そして、ニューズ番組をバカ面して眺めている側も、そういうものだと思い込んだり諦めつつ、内容は違えど体裁は変わらない景色のように報道の映像を眺める。これではリテラシーや民度など、500年が過ぎても「辺境」のままであろう。

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