Scribble at 2022-10-11 11:46:57 Last modified: unmodified
形式的な答えとしては、世界終末時計は1月に再設定される(ロシアの軍事進攻は2月に始まった)からだということになる。でも、恐らくこれは言外に「危機を訴えるなら、いまどき1年ごとの更新では遅い」というニュアンスがあるのかもしれない。昨今、「鬼速PDCA」なんて言葉もあるとおり、内部監査や経営会議を1年に1度なんて悠長なことを言っていては時代に着いていけないなどと言う向きもある。でも、もともと PDCA は年間スケジュールなんて想定していないプロセスのモデルにすぎない。これを「定期的に」などとパスワードを変更するような調子で愚かな儀式にしてしまったのは、無能なコンサルや監査会社や通俗本の著者であろう。
ということなので、もちろん世界終末時計も更新のスケジュールを再考した方がいいのだろうとは思うけれど、果たして元からかようなイベントに何かアピールしたり啓発したり牽制する効力がもともとあったのかと言われると疑問がある。年末のニューズ番組で清水寺から中継してる「今年の漢字」みたいな年中行事の一種として軽くあしらわれているのが実情であろう。よって、そもそもの話をするなら、世界終末時計の更新スケジュールを問う人には、そもそもなんでそんなものに期待しているのかと問い返すべきなのだろう。