Scribble at 2023-04-26 08:32:09 Last modified: 2023-04-26 15:43:08

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今日の日付が替わった頃に、民間企業が打ち上げた機体として初めて月へ着陸するという ispace の中継動画を眺めていた。いっときは8万人に迫る視聴者が YouTube の配信チャネルに集まっていたが、徐々に数が減ってゆき、そのうち何千人という数になった。もちろん一つの理由は、まだ確かなことは分かっていないようだが、着陸の予定時刻を過ぎても機体から通信が入らず、実際に着陸できたのかどうかが分からないままだったからだ。正式に ispace の記者発表が上記のように開かれたのは2時を過ぎてからだが、それまで延々と ispace のプロモーション動画が繰り返されるだけであり、正直なところ途中で観るのを止めてしまった人が多いだろう。

そして、多くの人が憤慨していたのは、着陸の予定時刻が迫るあいだの映像である。実際に着陸機から送られてきた映像なのか、それともプロモーション用に制作された映像なのか、あるいはシミュレーションの映像なのかが分かりにくいし、頻繁に切り替わるため、本当に起きていることなのかどうか分かりにくい。これでは、またぞろアメリカで一部に普及している陰謀論のように、現在ならなおさら集金目的のインチキではないかと言いだす人々が出てきてもおかしくない。あれは正直なところテクノロジーを安易に使った自滅的な「パフォーマンス」だと思う。実際、Hacker News でもシミュレーションの映像だけで着陸に成功したかのようなことを言い出したり、それを否定するあまり、この計画そのものがフェイクだと言い出したりする人がいるようだ。

もちろん、失敗なら失敗で良い。"rocket science" という言葉は常人に届かない高度な最先端の科学やテクノロジーという意味だが、科学であり技術である限りは発展の途上に数多くの失敗があって当然であろう。われわれは神でもなければ全能でもない以上、何かしらどころか殆ど不完全であるから、最初から無謬なり無事故なんてありえないのが当然だ。宇宙船に比べたら小僧でも扱える自転車ですら、その運転によって数多くの致命的な事故が起きる。もちろん、その頻度には心理的にも経済的にも受忍できる限界があるにせよ、まだ継続してもらいたいプロジェクトではある。

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