Scribble at 2020-10-17 09:01:19 Last modified: 2020-10-17 09:03:20

「感染拡大防止のルールが都知事によって確立されていないのにそれを破ったら罰則です、というのはそもそもおかしいのではないか」

コロナを複数の他人に感染させたら罰金…全国初 罰則付き条例を都議会で提案へ

フジサンケイのメディアがどういう立ち位置で報道しているのかは微妙なところだが、都民ファーストの会は維新と同じくポピュリストの集まりという意味での(政策が共有されているとは限らない)烏合の衆だと思われるので、こういう愚かな発言を頻繁にやる。昔は、こういう妄言や放言は自民党の陣笠議員が「観測気球」として発言する役割を担っていて、適当に暴論を口にしては古参の議員からたしなめられるという手続きを経ていた。その役割を、いまでは自民党議員でもない他政党の泡沫議員が勝手にやって自滅してくれる(そこで得点稼ぎをしたところで一過性にすぎないことは自民党の国会議員ならたいてい知ってる)のだから、便利なものだ。

ただ、困るのが若者どころか僕らの世代にすら、こういう些末で短絡的な得点稼ぎというポピュリストの十八番(というか本質的にポピュリストは知性も教養も経験もないので、思い付きの得点稼ぎしかできないわけだが)を民意の反映だとばかりに称賛する人々がいて、ティーパーティ運動のような噴き上がりだけでトランプを大統領にしてしまった無教養な白人と同じようなのが日本の無党派層にもたくさんいるらしいということが分かったのであった。もちろん、こんなことは昔から社会科学のまともな素養を身に着けている人々は理解していたことだが、支持政党を決めていない人々の多くは、何も学術的な考察の末に厳密な判断基準で支持政党を決めかねているなどというわけではない。寧ろ何も学ばず考えてもいない結果として、判断を躊躇したり先送りにしている事例もたくさんある。それゆえ、イージーに目先の利益や自分の浅薄な感情を満たしてくれるポピュリストの発言に拍手喝采するわけである。

上記のような条例案は、議員が自らの権力の使い方を全く理解していない典型であり、中国共産党の下部組織とかロシアやトルコや北朝鮮を始めとするロクでもない政治体制の国家で働くクズ役人や愚劣な政治家どもと全く同じである。単なる個人的な感情や稚拙な意見を、選挙で当選したというだけで「民意の反映」だと思い込む。あるいは「民意」という出鱈目な観念を言い訳にして好き勝手なことをやろうとする。これが戦前のどこかの国で横行していた、僕らのような保守的な人間から見ても愚劣としか言いようがない右翼どもの言動と殆ど変わらないのは、或る意味では哲学者として想定内なので驚くべきことでもないが(どのみち凡俗など何千年経とうと iPhone 12 のような高性能な玩具を手にしていようと、本質的には浅はかである)、別の或る意味ではウンザリさせられる結果だ。

そもそも結果責任というなら、維新や都民ファーストの政治家は、この1年に何をしてきたのか。それこそ今年の年末に所属議員全員が議会施設の前で切腹でもしたらどうだ。

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