Scribble at 2020-08-02 09:44:25 Last modified: 2020-08-02 09:46:21

飽くまでも私的利用の範囲で Craving Explorer を使っては YouTube から色々な動画を落としてきて、それを MP3 に変換してスマートフォンへ転送して聴いている。正直、J:COM の不安定な回線ではストリーミングでコンテンツを楽しむことはできないというのが最大の理由ではあるけれど、聴くたびにネットワークの帯域を使うのは、著作権法の解釈や今後の動向がどうあれ、地球規模での浪費に他ならない。僕はストリーミング音楽の配信サービスが、コンピュータであれスマートフォンであれ機器を使って音楽を聴くディフォールトのスタイルになることには反対である。

さてしかし、そうして動画から音声だけを取り出してスマートフォンへ転送しているとは言っても、元の動画と変換した音声を厳密に聴き比べているわけでもないし、そういう必要も感じていない。そもそも、スマートフォンのような機器、いやそれ以前にイヤフォンやヘッドフォンを使って聴く音楽なんて、コンサートや精密な録音スタジオで音を聴いた経験がある人間からすれば、どこまで行っても越えられない物理的な限界というものがある(自室でイヤフォンを使って聴く音質のクリアさは録音スタジオの音には叶わないし、コンサートで聴く音のように、目を開けていなくても真正面から音がぶつかってくるような経験は、イヤフォンやヘッドフォン内部の反響をどう設計しようと味わえない)。しかしそれでも(「クラシック音楽を知る話」という記事でも書いたことだが)、しょせん音楽を聴くという経験にとっては《些末》と言ってよい要素にこだわって大切な要素を軽視するよりも、多少は音質が悪かろうと聴きたいものを気軽に聴ける方がよい。

ただ、実際に聴き比べると音質の違いに唖然とさせられることはある。たとえば、YouTube でも ASMR の動画として数時間に及ぶ長さの色々な動画が公開されているのだが、それらをコンバートすると、正直なところ相当な音質の劣化が分かる。試しに単調な音、雨音や風の音などを収録した動画で試してみるとわかるが、192 kbps という最高の音質で変換しても、元の動画の音声に比べると、とても聞けたものではなくなる。なお、YouTube にアップロードするときにサーバ側で音質は最高でも 192 kbps に調整されてしまうため、動画として高画質なものをダウンロードしたり、あるいは音声だけを抜き出す変換ソフトで 192 kbps 以上のビットレートを指定しても、それらはすべて無駄である。

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