Scribble at 2024-04-06 09:18:01 Last modified: unmodified

タスク管理のアプリケーションなどで、既に完了したタスクのステータスを「完了済み」と表記していることに違和感を覚えるのだが、こういう英語の過去完了形みたいな用法は日本語として普及しているのだろうか。調べてみると、他にも「終了済み」という表現を使う事例があるようだ。

もちろん、日本語という言語に過去完了という発想が欠落しているわけではない。もともとは上代では「開発を終えにき」(完了の助動詞「ぬ」の連用形+過去の助動詞「き」)とか「開発を終えてけり」(完了の助動詞「つ」の連用形+回想の助動詞「けり」)という過去完了形の言い方があるし、現代でも「開発していた」のような例がある。ただ、最後の事例で気づくように、この言い方だと何かを開発していた経験があるという意味にもなるし、開発が進められていたが途中で頓挫したようにも取れる。つまり、恙無く最後まで終えてあるとまでの強い意味がない。よって、現代の用法だと「開発を終えていた」とか「開発が完了していた」のように、敢えて完了の意味を表す言葉について過去完了を使うことになり、おそらくは「完了済み」という重複したような表現が受け入れられるようになったのではないかと思う。

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