Scribble at 2023-05-09 12:57:36 Last modified: 2023-05-09 21:32:20

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さきほどジュンク堂へ出向く途中に、堂島地下センターにある三井住友銀行の ATM で落とし物を拾った。「落とし物」とは言っても、ATM 端末の上にある棚へ置いたままになっていたから、「拾得物」と言った方がいい。ただ、「拾得物を拾った」という表現は二重表現でおかしいし、拾ったものを「拾得物を見つけた」という言い方だと因果関係が逆になるし・・・まぁ、とにかく何が言いたいかはお分かりであろう。

縦横が 20cm ていどの小さなデニムのバッグなのだが、持ち上げると意外に重たい。金銭が入ってたら大変であるから、すぐに据え付けてある電話で担当者へのホット・ダイヤルを使うと、受付が遠方だし、待機している人員もいないため、代わりに交番へ届けてくれという。やや困惑させられたが、対応できる人員が到着するまで ATM で待つわけにもいかず、交番へ届けることにした。最も近いのは渡辺橋の南詰にある交番だ。堂島地下センターから地上へ上がって、交番へやってきた。

そのあいだ、実は多少の不安を感じてバッグを運んでいた。運んでいる最中に持ち主が見かけて、僕が盗んだと勘違いされる恐れがあるからだ。これから交番へ届けると言っても信じないで、その場で騒ぎだす可能性がある。こんなのは、地下鉄で女子高生のケツを触ったとか遊び半分に嘘をつかれて人生が一変するような人と同じく、自分ではどうしようもない理由で人生が変わってしまう可能性がある。よって、自分でリスクを減らせるとすれば、交番へ自分で届けずに銀行の担当者が来るまで待つのが良いのだろう。

交番へやってくると、二人の警察官がいて応対してくれた。届け出人として住所や氏名を聞かれたり、拾い主としての権利やらなにやらを説明されたのだが、そんなのはどうでもいい・・・なぜなら、僕が拾ったのは弁当だったからだ(いや、仮にお金だったとしても謝礼なんていらんわ。金と言ったって、どんな金かもわからんし、その場合は相手に僕の個人情報を教える必要があるだろうから)。小さいバッグの割に重たかったのは、バッグの半分くらいを占める飲み物の容器が入っていたからである。1リットルくらいの容器に、ブルーの液体が入っている。何の飲み物なのかは分からない(警察官が事務処理しているあいだ、この容器をながめつつ、ひょっとしてこれを熱したら白い粉が残るんじゃないかとも想像した。観光客なら、現地調達した覚せい剤をそういう手法で持ち歩く可能性だってあろう)。そして、小さな弁当箱が入っていて、それからなぜか割り箸が9本も入っていたという。内容を確認しながら、この手の弁当の落とし物が付近では非常に多いという話を聞いた。そうこうして、最後に全ての情報をノート・パソコンに入力しなおしてから、上に添付したような届け出の書類を渡された。「保管するような類の書類ではないから、捨ててもらっても構いません。ただし、個人情報が含まれているので注意してください」とのことだ。もちろん、後生大事に保管する理由はないけれど、捨てる理由もない。

[追記] 自宅に戻って連れ合いと話していたら、よく考えたら「白い粉」どころか、あの液体って他にも色々なものでありえるな。それこそサリンのような化学物質とか、呑気に持ち運んだけれど、液体爆弾という可能性もあった。いまごろ渡辺橋の交番で警官と一緒に「ちゅどーん」とかなってたかもしれない。世知辛いことではあるが、あんなもんは放っておいたほうがよかったのだろうか。

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