Scribble at 2020-10-20 11:53:23 Last modified: unmodified

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「テレワーク」と「リモート・ワーク」という言葉がどちらも使われているが、僕は「リモート・ワーク」と書いていることが多い。上記の Google Trends は "telework" と "remote work" のアメリカでの検索数だが、圧倒的に "remote work" の方が多い。そして、Merriam-Webster には "telework" という単語はエントリーされていない("remote work" は、そもそも合成語ではないからエントリーがないのは当たり前だ。辞書は流行語辞典ではない)。言葉の意味からすれば、"telework" の接頭辞である "tele-" や "tel-" の「遠方の」とか「離れたところの」という意味は "remote" と殆ど同じなのだが、"remote" には離れた場所どうしで通信回線で《つながっている》というニュアンスがあるらしく、"telework" だと没交渉でも離れたところで仕事をしていれば通用してしまうところがあるようだ。とりわけ自宅での業務を導入した企業にとっては、他の社員や会社の仕組みと没交渉のまま作業するようなスタイルは想定していないだろうから、「リモート・ワーク」という言葉使いの方が望ましい意味に近いのだろう。そして、実際に自宅作業を導入すると同時に採用されている digitalization の意図も、単にオンライン・サービスを個別に便利に使おうというだけではなく、会社の情報運用・管理のインフラとして共有しようというところに力点があるのだし、各人がバラバラで仕事をしていても通用する「テレワーク」では困るのだ。

ただ、だからといって「自宅」作業を前提にされても困るという事例はあろう。特に、自宅で家族と共有しているパソコンでは仕事をしない方がいいと考える人もいるだろうし、そもそも自宅で仕事ができる状態ではない人もいるだろう。したがって、「リモート・ワーク」は自宅で仕事するという意味ではないという点を、それぞれの会社で改めて強調しておく必要はある。とりわけ今の状況では《一か所に集まらない》ということが重要なのであって、それぞれが作業している場所の話は別だし、結局はそれがどこでも構わないということにリモート・ワークの特徴があるのだ。

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