Scribble at 2021-06-28 17:03:16 Last modified: unmodified

島宇宙とかムラとかエコーチェンバーとか言われているように、Twitter のスモール・ワールドなんてものは、しょせん言語的に閉じている条件があった上での話だ。島根の高校生のアカウントからアメリカの高校生のアカウントまで6ステップや8ステップで届くかといえば、意外にも大半の事例で届かない。

多言語版で展開しているゲームの公式アカウントや有名人のアカウントを経由すれば簡単に届くような妄想を抱く社会学者とか複雑系ネットワークの素人もいるとは思うが、いまやゲームの公式アカウントなんて国や言語によって複数のアカウントを運用するのが当たり前だ。そういう意味での「多様性」が、逆に個々のサイロなりパーティションなりコミュニティでの画一性を増幅して、外のネットワークへの回路が減っているのである。

そもそも、大半のセレブなり芸人というものは、自分が活動している言語圏でのヘゲモニーなり名声を得たら十分なのであって、恐らくアメリカの芸能人が日本で有名になることを特別だと思ったりしないだろうし(差別意識とは関係がなくてもだ)、フランスの学者が日本で評価されることなど志向してはいない。そして、日本のゲーム会社のプログラマがロシアの企業からヘッドハントされたいとは思っていないだろう。アメリカ人はアメリカ(あるいは英語圏)で、フランス人はフランス(あるいはフランス語圏)で、そして日本人の大多数は日本で評価されたり食べていくことを主な目標にしている筈だし、それで何がいけないのか。

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