Scribble at 2025-05-22 18:53:15 Last modified: 2025-05-23 14:15:45
このところ、弊社で受託の制作部署や自社サービスの運営部署がコンテンツ・マーケティングに関わっているためか、「記事制作を AI で代行」なんていう営業メッセージが増えている。もちろんだが、こんな素人考えで小銭を巻き上げようなんてチンピラどもなど、弊社は相手にしない。
そもそも、現代のビジネスにおける生成 AI のトレンドは「自社での活用」なのであり、RAG として外部の企業へトレーニングを委託することはあっても、モデルを動作させる動作環境や、モデルの所有権はクライアント企業にある。今日において、AI をコンテンツ・マーケティングや記事作成といった自社の業務に取り入れるということは、二束三文な文章しか書いてこないクラウドのライターがいらなくなるどころか、「AI 記事作成を代行する」などとアホのくせに豪語する便乗業者も取引先の候補一覧から華麗に掃き捨てられるということなのである。現在の生成 AI が業務に与えるインパクトというのは、これまでのビッグ・データやデータ・サイエンスとは違って、その手の専門スタッフが社内にいなくても、一般社員が自分の望む命令を日本語の文章で入力するだけでよいという圧倒的な対応力や適応力にあるのだ。だからこそ、ウェブサイトの制作もデザイナーやコーダが不要になるし、既存のサービス、例えば Salesforce や MS Office のマクロなどもスクリプトを開発する業者が不要になる。ましてや、もともと品質なんて二の次だった WELQ 級の文章を大量にばらまいて SEO の効果を高めるだけのコンテンツ・マーケティングなんて、もともと人が書かなくたってよかったのだ。文章として辻褄がそれなりに合っていて、SEO 的な効果が見込めるなら、上場企業を早期退職してド田舎でクラウド・ワーカーなんてやってる浅はかな連中にでも頼るしかなかった多くの企業にとって、社内で作業が簡単に完遂できる生成 AI の進展は朗報であろう。
結局、生成 AI の利用を代行するだけにすぎない、パソコンを抱えたチンピラどもが相手にする組織というのは、AI を何かしかるべき用途で有効に活用することが目的の事業者ではなく、寧ろ「AI を使ってます」というアピールのためだけに生成 AI を導入する人々とか、あるいはよく言われる "Fear of Missing Out" (FOMO) つまりは「乗り遅れ恐怖症」に陥りがちな地方自治体などの情弱なのである。