2018年05月07日に初出の投稿

Last modified: 2018-05-07

マルクスの生誕200周年ということだが、書店でフェアを開催している様子もない。このところ、『蟹工船』だの『君たちはどう生きるか』だのと、「左翼」とまではいかなくても岩波・朝日系のリベラルと言ってよい本が売れているようだが、旧態依然とした右も左も(本来、右翼や保守思想を奉じる人間こそマルクスを読んだ方がいいし、実際のところ大半の左翼なんて『資本論』の第一巻すら開いた人は少ない)、こういう「むつかしい古典」は評論家や学者に任せておけばいいということだろうか。でも、いかに大部の古典を読む人が少ないとは言え、うちの両親のように思想や学問に携わっていたわけでもない人たちですら、1960年代の頃は『賃労働と資本』の読書会に出ていたりしたというし、せめて30代までの若者なら少しは背伸びしてもいいのにとは思う。手っ取り早く何かを考えているフリができる哲学や社会科学の通俗書なんてものは、自分が分かる範囲で問いや答えの構図を説明してくれるだけの知的安楽椅子にすぎない。そんなものを何千冊読んだところで、データ量は増えるかもしれないが、見識を広げてくれるわけではないのだ。

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